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【パリ五輪】「同じようなコースは思い浮かばない」ル・ゴルフナショナルを制するのはどの選手?

今週、いよいよパリ五輪が開幕。ゴルフ競技は男子が8月1日~4日、女子が8月7日~10日の日程で、欧州屈指の名コース「ル・ゴルフナショナル」で開催される。3年前の東京五輪では日本代表の稲見萌寧がプレーオフの末に銀メダルを獲得したが、今大会はどんなドラマが待っているのか。コースや注目選手をゴルフ中継でもおなじみのレックス倉本が解説。各国の男女代表120選手も一挙ご紹介!

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Blue Sky Photos、Getty Images、AP/Aflo

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自国を代表して戦う
名誉とプレッシャー

舞台となるパリ郊外にあるル・ゴルフナショナルは91年の開場以来、フランスのナショナルオープンであり、昨年久常涼が優勝した「カズーフランスオープン」を開催。2018年にはライダーカップの舞台となった。コースをよく知るレックス倉本によると、

「基本的にコースは平坦でアンジュレーションがあり、遮る木々がほとんどないリンクスタイプですが、いくつもの池が配されて『リンクス』に『池』という要素が組み込まれています。世界のコースを見渡しても、同じようなコースはあまり思い付きません。強い風が吹くことも多く、風によって地面が硬くなると、どこにボールが転がるか分からなくなるうえに、池ポチャのリスクも高まる。そのため飛距離よりも正確性、ボールストライキングの上手さが勝敗を左右します。
 また、五輪特有なのが狙うメダルが3つあること。普段の大会であれば、優勝者しかトロフィは手にできませんが、五輪は金メダルを狙うのか、それとも銅メダルや銀メダルでよしとするのか、その判断ひとつで戦略が変わってくる。そのためメダル圏内にいながら、最後の最後で大きく順位が入れ替わることも考えられます」

国ごとの出場人数の上限が決められているため、とくにアメリカなど世界ランク上位であっても出場できない選手も多い。注目すべきはどんな選手なのか?

「先に言いましたが、同じようなコースは世界にも少ないので、経験値が圧倒的にものをいう。男子でいえばライダーカップや欧州ツアーでこのコースを経験している選手が圧倒的に有利。米国勢はウィンダム・クラーク以外の3人はライダーカップに出場した選手ですが、それ以上にリンクスに慣れているアイルランドのローリー・マキロイやシェーン・ローリー、コースをよく知る地元フランスのマチュー・パボン、スウェーデンの新星ラドビッグ・アバーグらでしょうか。そのほかにも日本ではあまり馴染みがなくても欧州ツアーを主戦場にする選手にはチャンスがあると思います。
 女子であればボールストライキングに秀でたタイのアタヤ・ティティクルとパティ・タバタナキット。さらに風に強いイメージのあるフランス出身のセリーヌ・ブティエが本命。
 もちろん日本勢には松山英樹、笹生優花と今年海外で結果を残した選手がいるので、メダル争いに絡んでくる可能性は十分にあります」(レックス倉本)

3年前の東京五輪では稲見萌寧が銀メダルを獲得したが、再び日本勢によるメダル獲得なるか!?

パリ2024オリンピック

●男子 8月1日(木)~4日日
●女子 8月7日(水)~10日

ドラマが起きる、最終18番

全体的に難度の高いホールが続くが、レックス倉本がとくに注目だというのが最終18番。「ティーイングエリアから左サイドに池が延び、グリーンが池で囲まれたホール。それだけでも難しいのですが、最終日など重要な場面ではグリーン右奥にピンが切られる傾向が強い。そうなると2打目でピンを狙っても、少しオーバーするだけで池ポチャになってしまう。左右に曲げないのはもちろんのこと、縦距離もピタリと合わせなければ攻略は不可能。18ホールのなかで最もスコアが動くホールなので最後まで何が起こるかわかりません」。写真上は中央手前が18番グリーン、奥が15番グリーン。

五輪ゴルフ各国代表120選手

週刊ゴルフダイジェスト2024年8月13日号より