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【PGAツアーエキスプレス】Vol.38 ジェイソン・デイ「スウィング改造で腰への負担が激減」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第38回は、5年ぶりに優勝を果たしたジェイソン・デイのスウィング改造に迫る。

PHOTO/Getty Images、Blue Sky Photos 取材/コーリー・ヨシムラ(PGAツアー アジア担当ディレクター)

ジェイソン・デイ 1987年生まれ、オーストラリア出身。2010年に米ツアー初優勝し、一時は世界ランク1位に君臨。昨年5年ぶりの優勝を果たし、復活を印象づけた

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バックスウィングの腰の回転量が増えた

昨年、AT&Tバイロン・ネルソン選手権で5年ぶりの復活優勝を飾ったジェイソン・デイ。2015年に全米プロを制覇し、世界のトップ選手になったのも束の間、怪我や不調に見舞われ優勝から遠ざかる日々が続いたが、その後スウィング改造によって再びトップレベルのゴルフを取り戻し、優勝を勝ち取った。今回は、2010年ナショナルPGAティーチャー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、教えた生徒たちの勝利数は50を超えるトッド・アンダーソンにジェイソン・デイのスウィングを解説してもらった。

「2015年時のスウィングと比べて、まず一番に感じることは、以前はバックスウィングでの腰の回転量が少なかったことだ。それに対し現在は右腰を後ろにひねり、右足にしっかり体重が乗っている。15年のスウィングではスウィングアークが大きく、今よりもアップライトな軌道で振っていたが、右腰を深く入れることで腕とクラブが同調するようになり、軌道がややフラットになった」

アップライトなバックスウィングだと、ダウンスウィングで懐が狭くなりやすい。結果、体の左サイドを使って激しくクラブを引き下ろしていたため、上半身がターゲットから遠ざかるようになっていた。この動きはインパクトでは上体を無理に傾けてアジャストするしかなくなり、腰に大きな負担を与えていたという。

「改造後は右腰が深く回転するようになったため、軌道がフラットになり効率よく体が回るようになった。そして、切り返しからダウンスウィングでは、左サイドを使って引き下ろすのではなく、右腕を伸ばすことでクラブを下ろすようになったため、インパクトでの体の傾きが大きく減った。頭の高さが以前よりも保たれているのがわかるだろう。この位置なら右サイドを高く保つことができ、インパクトからフォローにかけてクラブを正面に保ちながら体を回転させることができる。腰への負担が減るだけでなく、インパクトでフェースをボールに合わせにいく必要がなくなったため、体の回転だけでスムーズなスウィングが可能になったのだ」

スウィングはインパクトの現象だけに目を奪われがちだが、実はその原因はもっと前段階にあることが多い。ジェイソン・デイもバックスウィングを正すことでスウィング全体が良くなった。アマチュアにも大いに参考になるだろう。

2015年

クラブを縦に使っていた。結果、ダウンスウィングで窮屈になり、上体の力に頼ったスウィングになっていた

2024年

腕とクラブを同調させることで軌道がフラットに。ダウンスウィング時に懐が広くなりクラブをスムーズに下ろせるように

月刊ゴルフダイジェスト2024年9月号より

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