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【インタビュー】勝みなみ<後編>「“悪いクセ”の直し方がわかったんです」

米ツアー2シーズン目を迎えた勝みなみに独占インタビュー。昨シーズンの最後の試合でつかんだ最大の収穫とは?

TEXT&PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe

勝みなみ 1998年生まれ。鹿児島県出身。高校1年のとき、史上最年少でアマ優勝。黄金世代を引っ張るひとりで、日本女子ツアー8勝。昨シーズンからアメリカ女子ツアーに参戦し、シード権を獲得。ロレックスランキング77位(5/16時点)

  • 9人の日本人選手が参戦するアメリカ女子ツアー。米2シーズン目を迎えた勝みなみの独占インタビューを、海の向こうからお届けしよう。なぜ勝はアメリカを目指したのか、何を目標としているのか、日本では語られなかった本音を明かしてくれた。 TEXT&PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe 勝みなみ 1998年生まれ。鹿児島県出身。高校1年のとき、史上最年少でアマ優勝。黄……

去年の最後の試合で
スウィングの直し方を
見つけちゃいました

――去年1年戦ってみて、自分のココを上達させたいと感じたことはありましたか?

 実はここ3~4年、ショットの調子がよくなかったんです。日本で優勝はしていましたけど、 応急処置みたいな感じでした。スウィングに悪い癖があって、去年の最後の試合で、その直し方がやっとわかったんですよ。もう、それが、去年の一番大きな収穫です。

――具体的にいうと?

 切り返しから手元が高くなってクラブの通り道が狭くなるので、上体が起き上がっていたんです。そうすると、切り返しが早くなるし、フェースが開いて、全部右に行っちゃう。それをイヤがって、手を返してフック! みたいなことが多かったんです。それを、“下に下に”持っていくことを意識しました。とにかく下に下げる、ダフってもいいから手元も体も下げるようなイメージです。


――インパクトゾーンで上体を低く保つことによって、クラブの通りがよくなった?

 そうです。クラブが上から入るんじゃなくて、横から水平に入るようになりました。ボールだけをクリーンに打っていく感じ。アイアンで打つとき、いままでは上からドーンッて、芝がスゴく深く取れて、地面が掘れちゃってました。球筋もスピン量も安定しなかったんですけど、新しい動き方を発見してクラブの軌道が変わったら、すごく安定したゴルフができたんです。「あっ、もうコレだ!」って気付いて、それから、まずは下で回れるようにトレーニングを始めました。それができるようになってきて、いまは意識しないでできるように取り組んでいるところです。

ダウンスウィングで体が起き上がっていたという勝は、昨シーズンの最後の試合で、その癖を直す方法を発見した。手元が浮かなくなった今シーズン、もうひと化けするかもしれない

阪神タイガースのような
愛されキャラが好き

――オフの息抜きは何でしょうか?

 やっぱり野球が大好きなので、野球を見て一喜一憂していますね。野球で喜んだり、悔しがったり、そういうところで発散しているのかなって思います。それとトレーニングするのも大好きなので、トレーニングも趣味かもしれない。あとは、美容関係が大好きなんですよ。美容についてネットで検索して「こういうのがいいんだ!」とか、スキンケアも「コレは自分の肌に合ってそうだな」とか調べたり、実際に出掛けていって、いろいろ見たりするのも好きですね。

――野球といえば、阪神タイガースのファンですよね?

 そうなんですよ。選手も球団もファンも、不思議な魅力があるのが惹かれる部分。ずっと上位にいる選手や球団もスゴいですけど、あっさり負けたり、バーッと勝ったりするほうがおもしろいじゃないですか! 魅力のある選手って、見ていておもしろいんですよ。プレーもそうだし、試合の流れもおもしろい。それを自分もやりたいというか、求めたい。やるからにはおもしろいゴルフをしたいし、周りの人にも楽しんでもらいたい、という気持ちがあります。

ジュニア選手としてツアーに参戦する勝に同行するまでは、小学校の先生をしていた母親の久美さんは、アメリカでも行動を共にする。どこに行くのも一緒の仲良し親子で、勝の頭の回転の速さは久美さん譲りか

美容のことが大好きという勝は、日焼け対策も万全。フォード選手権が開催された砂漠の地、フェニックスの強烈な紫外線をカットするため、日傘&長袖でちょっぴり優雅に練習ラウンド

週刊ゴルフダイジェスト2024年6月4日号より