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「今は頭が右に残りすぎている」松山英樹が語るスウィングの理想と現在地

米ツアー参戦11年目を迎えた松山英樹を内藤雄士がインタビュー。後編では、松山英樹が「一番いい」と語った2014年のスウィングと現在のスウィングの違いについて、内藤雄士がさらに深く切り込んでいく。

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Takanori Miki、Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Getty Images

松山英樹 2010年アジアアマで優勝し、11年のマスターズでローアマ獲得。13年にプロ転向し日本ツアー賞金王に。14年からPGAツアーに本格参戦、21年のマスターズでアジア人初のメジャー優勝を達成
内藤雄士 丸山茂樹のコーチとして長年の活躍を支え、現在は日大ゴルフ部のコーチも務める。PGAツアーの解説者としても活躍中

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頭が残るのはいいけど
残りすぎは良くない

内藤 2014年のスウィングが長く安定して振れるというのは具体的にどの部分がいいんですか?

松山 まずはインパクトの顔の向きが全然違いますよね。

内藤 2014年はあまり右に向いていませんね。

2014年の1Wスウィング(正面)

14年頃のスウィングをスマホに保存してよく見返しているという。顔の傾きが少なく頭を残しすぎていないためインパクトの軸も前(目標方向)にある。頭が下がらずに同じ位置で振れている。「この頃のスウィングが一番好きです」(松山)


松山 頭が残るほうが好きなんですけど、23年のだと右に倒れてるっていう感じで。

内藤 ビハインドすぎるんですね。

松山 それと23年は(インパクト前後で)頭が1個分下がっていて、14年は同じ位置にある。後方から見たときも14年はインパクトのポジションで体がしっかり前に向いていて(クラブが)低い位置に抜けてます。

内藤 14年のほうが胸がきれいにターンしていて全体的にバランス良く振れていますね。首の状態はどうなんですか?

松山 だいぶ回復してきている実感はあります。14年のスウィングなら首への負担も絶対的に少ないですし、もっと練習できる、そういう意味でも変えていきたくて、少しずつ戻りつつあるって感じです。

2023年の1Wスウィング(正面)

頭が残りすぎるから首への負担が大きくなる。「頭を残そうとしたわけではなくて、練習しながら日々変わっていってこういうスウィングになりました」

2023年の1Wスウィング(後方)

「14年頃は後方は悩みがなかったけど、いまは逆に後方で悩むことが多くなりました」

月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より