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【名手の名言】ジャック・ニクラス「私は決してプレーが遅いとは思わないが、そう見えるのであれば…」

レジェンドと呼ばれるゴルフの名手たちは、その言葉にも重みがある。ゴルフに限らず、仕事や人生におけるヒントが詰まった「名手の名言」。今回は“帝王”ことジャック・ニクラスの名言を2つご紹介!


私は決して遅いと思わないが
そう見えるのであれば
批判は甘んじて受け入れ
早いプレーを心掛けよう

ジャック・ニクラス


1960年、全米アマチャンプのニクラスが鳴り物入りでプロ転向。

そのデビューの年の試合で、ニクラスはスロープレーで2打のペナルティーを食らった。そのとき、ニクラスは「後ろの組にせっつかれたこともないし、前の組から遅れたこともない」に続いて、表題の言葉を発している。

その頃は試合でプレー時間を計るなどということはなく、あくまで印象で判断された。ニクラスの場合、構えてから打つまでちょっと長く、スロープレーに見えてしまうきらいはあった。

また、当時ニクラスは“太っちょ”の怪力ゴルファー。国民的ヒーローであったアーノルド・パーマーの敵役的反感もあったように思う。

スロープレーなど、一度レッテルをはられるとなかなか払拭できないもの。ニクラスはその後、容姿もプレースタイルも変身させていって、ゴルフのみならず、「20世紀最高のスポーツ選手」と呼ばれるに至る。

批判を謙虚に受け入れ、自らをよりゴルフの高みへと導いていく、ニクラスの求道者的姿勢が表れた言葉といえよう。


私より妻のバーバラのほうが力は強い。
私が開けられないジャムの栓なども
簡単に開けてしまう。
しかし、私ほど遠くへボールは飛ばない

ジャック・ニクラス


ボールを遠くへ飛ばすのは腕力ではない、ということを言いたいのだ。

では、飛ばすのかというと「脚」。

ニクラスがいちばん飛んでいたのは、デビュー当時。その頃のスウィングをみると、太ももがパンパンでズボンが張り裂けそうなくらいだ。

ボールを遠くへ飛ばすパワーは70%が脚、20%は上体と下半身の捻れ、腕の力はわずかに10%とニクラスは分析する。これらのことは自身の著『ジャック・ニクラス トータルゴルフ』の中で述べられている。

■ジャック・ニクラス(1940年~)

米オハイオ州生まれ。10歳でゴルフを覚え、12歳から5年連続で州ジュニア選手権に優勝し、神童と呼ばれる。その後全米アマを2度制し、61年にプロ入りした。その翌年、全米オープンに優勝するが、当時のヒーロー、アーノルド・パーマーを破っての勝利と太めの体格のためか、敵役となる。その後巨漢からスリムへ、GIカットから長髪へイメージチェンジを果たし、帝王と呼ばれるようになる。ツアー73勝。なかでもメジャー18勝の記録はいまだ破られず、メジャーでの2位も19回と圧倒的。

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