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お手本はタイガーよりマキロイ!? チャーリー・ウッズのスウィングを分析してみたら…

2022年末に行われた親子大会「PNC選手権」に出場したウッズ親子。13歳になった息子・チャーリーのスウィングを内藤雄士が分析!

PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe、Blue Sky Photos

PNC選手権では、初日に13アンダーで2位につけるスタートダッシュを決めたウッズ親子。息の合ったプレーで観客を楽しませたが、親子ともに「歩くのも大変だった」という足のケガをおしての出場とあって2日目は失速してしまう。結果は5位Tだったが、「2人でプレーすることで絆が深まった」と笑顔で大会を終えた

解説/内藤雄士

プロコーチ。日大ゴルフ部時代に米国にゴルフ留学し、最新のゴルフ理論を学ぶ。その後、丸山茂樹、平塚哲二、矢野東、大西魁斗らのコーチを務める。日大ゴルフ部コーチ。03年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞

「特に切り返しがマキロイとそっくりです」(内藤)

「僕よりもローリー(マキロイ)を真似たほうがいいって言ったんだ」と、PNC選手権でコメントしたタイガー。その言葉どおり、チャーリーくんのスウィングはマキロイとそっくりだと内藤コーチ。

「アドレスからすでに似ていると思います。マキロイの特徴はストロンググリップで握り、トップでやや左手首が手の平側に折れています。するとフェースをシャットに使うことができ、フェースローテーションを抑えて振ることができます。チャーリーくんも同じで、これは現代のクラブの特徴である、重心が深く、重たいヘッドで効率よく飛ばせるスウィングの代表例です。タイガーのように、パーシモンやメタルを使っていた世代は、どうしても腕をローテーションさせる癖が抜けきらない。タイガーもそれを知っているからマキロイの名を挙げたのでしょう」

チャーリー・ウッズ

●平均飛距離/240.3Y
●ジュニアナショナル選手権で自己ベスト68をマークするなど、13 歳にして期待大の逸材だ

「ティーアップはやや高めで、トップでは手の位置がやや低め。体重移動せずにその場で回るようなスウィングをしています。腕に力みがなく、体でクラブを振っていますね。足首を痛めていたのでインパクト以降はバランスが崩れてますが、右ひじを曲げてわきを締め、体を使って振ってます」(内藤・以下同)

ローリー・マキロイ

●平均飛距離/319.1Y
●ツアー選手権最終日の逆転優勝が記憶に新しいマキロイ 。史上初の、3度目の年間王者に輝いた

「ティーアップはやや低めで、トップでの手の位置は低めです。ダウンスウィングでは右わきがしっかり締まっており、インパクトにかけて左の内ももでパワーを受け止めています。胸椎(胸付近を通る背
骨)の可動域の広さを生かして体の回転運動で振っているイメージですね。フェースの開閉を極力減らしているのでしょう」

タイガー・ウッズ(絶頂期の2000年)

●平均飛距離/298.1Y
●2000年は全米OP、全英OP、全米プロとメジャー3勝を挙げて生涯グランドスラムを達成した

「ややハンドファーストに構え、トップでは手元の位置が高いです。ダウンスウィングでは右わきがやや空いており、インパクトでは重心を移動させており、左足に体重を乗せています。260ccのチタンヘッドを生かすため、アームローテーションを使い、しっかり体重移動をしながらビハインド・ザ・ボールで打ってます」(内藤)

現地カメラマンは気づいた
「歩き方もガッツポーズも似てますね」

「スウィングは違うけれど、歩き方やガッツポーズなどの立ち居振る舞いはタイガーとそっくりです。やっぱり同じ血を感じますね」(Yasuhiro JJ Tanabe氏)

月刊ゴルフダイジェスト2023年3月号より