ミケルソン、デシャンボー……マスターズにLIVゴルファーが集結? 過去5年のメジャー優勝者は出場可能に
22年はPGAツアーとLIVゴルフの対立が激化した一年だった。
いまだ和解共存の見込みは立っておらず、PGAツアーを代表するタイガーやマキロイが「対話のためにはCEOであるグレッグ(ノーマン)が辞する必要がある」と訴えると、ノーマンは「自分はLIVから100パーセント、いや1000パーセントの信頼を受けている」と応戦。平行線をたどっている。
LIVに関しては最高執行責任者(COO)だったアトゥール・コスラ氏が就任1年で辞任。サウジアラビアの公共投資資金に支えられたスポーツウォッシング(スポーツで自国の人権問題をカモフラージュする方法)ではないことをアピールしたが、道半ばでの撤退。
「他の事業と同じく新規参入は業界を混乱させる一面がある。しかし我々は適切な方法でそれを行ってきた」と説明した。
もう一つの動きはニューヨークタイムズが報じた、LIVが理事会メンバーにバスケットボールのレジェンド、マイケル・ジョーダンや元米国務長官コンドリーザ・ライス氏ら各界の有名人を招致する方向で動いていたこと。水面下で何らかの交渉が行われているはずだ。
23年には2シーズン目を迎え、14試合を開催予定のLIV。しかしテレビ放映や世界ゴルフランキングからの排除など数々の問題を抱えている。
唯一の朗報といえばマスターズ委員会のフレッド・リドリー氏が「4月には傑出したゴルファーを結集させるという伝統を尊重する」と23年の大会へのLIVゴルファーの出場を認めたこと。
これにより歴代覇者のフィル・ミケルソン、セルヒオ・ガルシア、ダスティン・ジョンソンらに加え、キャメロン・スミスやブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボーなど過去5年以内のメジャーチャンプのマスターズ出場が叶うことになった。
莫大なオイルマネーを背景に、優勝すれば4~5億円を稼げるLIV。1試合48名のメンバーは常に”空き待ち”状態。
今後どんな展開が待っているのだろうか?
週刊ゴルフダイジェスト2023年1月10・17日合併号より