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【PGAツアーエキスプレス】Vol.19 ローリー・マキロイ「僕は歴史の“表側”にいたいんだ」

ゴルフの最先端、PGAツアーの旬なネタをお届けする「PGAツアーエキスプレス」。第19回は、コースの内外でPGAツアーを牽引するローリー・マキロイについて。

PHOTO/Blue Sky Photos

ローリー・マキロイ
1989年生まれ北アイルランド出身。2007年にプロ転向、その後着実に勝利を重ね、PGAツアーで積み上げた勝利は現在23。今年は悲願のマスターズ制覇を目指す

コースの外でも奮迅の活躍

ローリー・マキロイの勢いが止まらない。

22年シーズンのPGAツアー最終戦、ツアー選手権で優勝し年間王者に輝くと、ザ・CJカップで22-23年シーズン早くも勝利を挙げた。そして、DPワールドツアーの年間王者にも輝いた。自身初の同一年の米欧タイトル2冠を達成したのだ。

もちろん、世界ランキングも現在1位に君臨している。

マキロイは「今年は1年を通じて安定性に長けていたよ。今シーズンを誇りに思う」とコメント。

成績も言葉通りなのだが、こちらとしてはひとつ気がかりなこともあった。それは、メジャーに勝っていないことだ。しかし、当の本人はそれを理解したうえで先の発言をしたようだ。

「確かに、最後にメジャーを勝ってから8年が経った。でも、そのときから試合ではあらゆることをやってきた気がする。フェデックスカップも3回勝っているしね。かつてないほどゴルファーとして成熟しているから、この感じを続けられればいいと思っている」

マキロイはコースの外で、とても居心地の悪い状況に置かれた。PGAツアーの地位が揺らいだとき、選手たちは“どちら”の立場かを発言しなければならなかったのだ。

そんな事態に直面したとき、常に先頭に立ち、発言をしてきたのはほかでもない、マキロイ自身だった。

「僕は歴史の表側にいたいんだ。ゴルフを何のためにやっているかという理由は人それぞれ。それでいいと思っているよ。でも僕は、少なくともお金のためではない。それよりも充実感のほうが大切なんだ。それは、自分のベストを尽くすことで得られるかもしれないし、成長に対して得られるかもしれない。可能性への挑戦こそ、僕がゴルフをプレーするもっとも大きな理由であり、それこそが僕を幸せな気持ちにさせてくれるんだ」

通常、ゴルフ以外の面で神経を使わなければいけなくなると、ゴルフの成績に影響しそうなものだが……結果は前述の通り。

2022年はマキロイがプレーの内外で先頭を走り、PGAツアーを引っ張っていった。ジャスティン・トーマスやジョン・ラーム、そしてタイガー・ウッズまでもがマキロイの後を追うようにPGAツアーへの忠誠を誓うコメントを発表していった。

果たして23年はマキロイにとってどんな年になるのか?

いよいよ、悲願のマスターズを制覇し、キャリアグランドスラムを達成することを期待せずにはいられない。今のマキロイは、それくらいゴルファーとして、そして人間として成熟期を迎えている。

マスターズでは優勝に縁がないが、昨年はスコッティ・シェフラーに次ぐ2位。マキロイ自身、過去最高の成績を収めた

月刊ゴルフダイジェスト2023年2月号より