とんぼの舞台
トカラ列島
トカラ(吐噶喇)列島は鹿児島県の南沖合に点在する12の島の総称。火之島のモデルとなっている「中之島」まで鹿児島港からフェリーで7時間。中之島はトカラで最も大きいが、人口はわずか142人(2022年6月現在)、面積は34.47平方kmで東京都杉並区とほぼ同じ面積。そんな小さな島に「トカラ富士」と呼ばれる標高979mの御岳がそびえ、島のシンボルとなっている。
鹿児島港から週2便、深夜23時に出港するフェリーがトカラを訪れる唯一の移動手段となっている。鹿児島を出たフェリーは島を順に巡って奄美大島に到着し、再び奄美から同じルートで鹿児島に戻ってくる。
島にはコンビニはおろか、飲み屋もレストランもない。商店は1軒あるが、空いている曜日も時間帯もとくに決まっていない。島内の移動は車が基本。三軒ある宿でレンタルできる。盗んでも逃げる場所がないので、どの車もキーが差さったまま停められている。
熊本
とんぼが高校生活を送るのは九州・熊本。有働一家が営む練習場は「武蔵塚ゴルフ練習場」という名が付いているように、熊本市の「武蔵塚」近辺が舞台となっているようだ。とんぼのホームコースで九州女子選手権の舞台にもなっているのが「くまもと中央カントリークラブ」。阿蘇山を望むロケーションと上田治設計の戦略性に富むレイアウトが魅力の本格的18ホールだ。
本編にも登場する武蔵塚公園。肥後藩主・細川忠利に招かれ熊本で晩年を過ごした宮本武蔵がこの地に眠っていることから「武蔵塚」と名付けられた。藩主の参勤交代を見守るため、遺言に基づき甲冑を纏い立ったまま埋葬されたと伝えれている。