【本当にあったルールの話】Vol.20 「同伴競技者が誤球したことを知らずに球を捜索した。そのまま3分が過ぎたらどうする?」

JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Masaya Yasugahira


中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中

阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
2020年日本女子プロゴルフ選手権の1ラウンド目。プレーヤーAは6番ホールのセカンド地点、左ラフで球の捜索をしましたが、3分以内に見つけられず紛失となり、ティーに戻ってストロークと距離の罰のもとにティーショットをしました。その後、セカンド地点に歩いてきたら同伴プレーヤーBが、Aの球を誤球したことがわかりました。
Q. 同伴競技者が誤球したことを知らずに球を捜索した。こんなときどうする?
A. 捜索時間内に誤球されたことに気づいた場合は、無罰で誤球された地点からプレー
プレーヤーAは自分の球が誤球されたことを知らずに球の捜索をしていました。もしAが3分の捜索時間が終わるまでにBによって誤球されたことがわかった、または事実上確実と判断できたのであれば紛失とはならず、誤球された地点に球をリプレースして2打目としてプレーを続けることができました。しかしAは3分以内に誤球されたことがわからなかったので、Aの球は紛失となり、ティーに打ちに戻った球で4打目としてプレーを続けなければなりません(定義:わかっている、または事実上確実/3)。
誤球をしたBは、2罰打を加えたうえでセカンド地点から本人の球でプレーを続けることになりました(規則6.3c)
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2025年6月号より