【本当にあったルールの話】Vol.17 クモの巣がスウィングの邪魔に! 取り除いていいんだっけ?

JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Masaya Yasugahira


中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中

阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
2018年マンシングウェアレディース東海クラシックの2ラウンド目。8番ホールでプレーヤーの打った2打目はグリーン奥まで飛んで行ってしまい、鬱蒼とした木々のすぐ近くに止まりました。その球をストロークしようとしたら、木の枝に大きなクモの巣が張っていることに気付き、バックスウィングをすればちょうど右肩から腕にかけて糸が絡み付く状況でした
Q. 垣根に張ったクモの巣がスウィングの邪魔に……。こんなときどうする?
A. ルースインペディメントとして取り除くことが可能
クモの巣はルースインペディメントと定められているので、コース上やコース外のどこにあっても罰なしに取り除くことができます。その際に、球が動かないように注意しなければいけませんが、このケースでは球は地面に止まっており、クモの巣は垣根の胸元辺りにあったので、その心配はありませんでした。レフェリーからクモの巣は取り除けると伝えられた後、プレーヤーのキャディは、張っている糸をクラブで次々と綺麗に取っていきました。
ルースインペディメントを取り除く方法は問われず、誰であっても道具を使っても良いです(規則15.1a、規則10.3b(1))。
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2025年3月号より