【本当にあったルールの話】Vol.16「ワンボールルール」でボールが残り1球に! なくしたらどうなる?
JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Masaya Yasugahira
中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中
阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
2024年CTBCレディスオープンの初日。強風の中、インコースからスタートした選手の18番ホールのティーショットは左のOBに行き、暫定球は右の川に入りました。その川にある球を懸命に探している姿を見かけたレフェリーが「1罰打で救済を受けられますよ」と伝えたところ、選手は「球があと1球しかありません。これを無くしたらどうなりますか?」と必死でした。
Q. ワンボールルールの適用試合でボールが残り1球となってしまった。さて、どうする?
A. 同ブランドの同モデルであれば、購入や借りることができる
この大会では適合球リストに掲載されている一種類の球の使用を選手に求める「ワンボールルール」が適用されていました。選手は球を買ったり借りることができますが、同じブランドの同じモデルでなければならず、異なる球と承知でその球をプレーすると失格になります(ローカルルールひな型G-4)。
選手はブリヂストン「TOUR B X」をプレーしており、委員会はハーフターンで同じモデルの球を6つ探しましたが、製造年が違うとアローのデザインがわずかに違い、異なる球とみなされ使うことができませんでした。そんな状況でしたが、選手は残りのハーフを緊張の中、唯一の球を無くすことなく終えることができました。
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2025年2月号より
最新のルールをわかりやすく解説!
『ゴルフルール早わかり集2023-2024』