【本当にあったルールの話】Vol.3 打球がギャラリーのリュックにナイスイン! どこから打てばいいの?
JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Yasugahira Masaya
中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中
阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
昨年の山陽新聞レディースカップの初日。1番ホールのセカンド地点の左側で観戦していたギャラリーは「フォアー!」という声が聞こえたため、球が来る方向に対して背中を向けて防御しました。しかし球が飛んできた気配はなく、どこにも見当たらず。ギャラリーが何気なくリュックサックを開けたら、なんと球が入っていたのです
Q. ギャラリーのリュックサックにナイスイン。こんなときどうする?
A. 止まった場所の真下地点から1クラブレングス以内にドロップ
選手のティーショットが、ギャラリーのリュックサックに入った場合、その球がリュックサックに入って止まった場所の真下の地点が基点となります。その基点からホールに近づかない1クラブレングス以内にその球か別の球をドロップしなければなりません。もしそのギャラリーが、リュックサックに入ったのを気付かずに歩いていたとしたら、球がリュックサックに入った地点を推定します(規則11.1b)。
幸いにも、ギャラリーは怪我することなく、また選手も球を紛失することなく、罰なしの救済ができました。選手は、リュックサックに入った球にサインしてプレゼントし、別の球でプレーを続けました。
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2024年1月号より