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【フェアウェイウッド】アマチュアでツアー優勝、女子プロに転向。大型新人・古江彩佳が直レッスン。いつも芯を喰うフェアウェイウッドスウィング

2019年、富士通レディースでアマチュア優勝を果たし、プロ転向した古江彩佳選手。彼女の強さは「安定感」。ショットがとにかく曲がらない。なかでも、スコアメークの生命線、フェアウェイウッドの精度の高さは早くもプロの間で話題になっている。正確無比な彼女のテクニックに迫った。

古江彩佳
ふるえあやか。2000年生まれ、兵庫県出身。アマとして出場した富士通レディースで優勝、その後プロ入り。ツアー最終戦リコーカップでは2位。プラチナ世代の1人

古江彩佳がフェアウェイウッドを得意とする理由
「ヘッドが低いところから入る」

── スウィングを見ると、かなり低い位置からヘッドが入っているように見えますが、意識しているポイントはありますか?

古江 実はスウィングで意識していることはあまりないんです(笑)。でも、調子が悪いときは左肩が開いてヘッドが上から入るので、そこは気をつけています。その結果、低い位置からヘッドが入るのかもしれません。

── 低い位置から入れる意識はないということですか?

古江 そうですね。私の場合、身長が低いので自然に低い位置から入るというのはあるかもしれません。

古江彩佳パーソナルデータ
2000年5月27日生まれ
●出身高校/滝川第二高校卒
●血液型/O型
●手のサイズ/18センチ
●足のサイズ/22.5センチ
●利き手/右
●好きな言葉/笑顔
●ゴルフ歴/3歳~
●得意クラブ/全部
●持ち球/ドロー
●好きな食べ物/いちご
●嫌いな食べ物/なす
●好きな芸能人/浜崎あゆみ
●趣味/映画鑑賞
●特技/絵を描くこと

── なるほど。身長なりのスウィングをした結果、軌道がシャローになっている?

古江 そうだと思います。上から入るとフェースがかぶるので引っかかりやすくなりますが、低い位置からヘッドが入るとボールが押せ、思いどおりのラインに球を出すことができます。

古江の3Wスウィング、飛距離210はヤード
「長いインパクトゾーンを見てください」

切り返しは「ゆっくり、ゆっくり」
左肩の開きが抑えられます

── 左肩が開くのが悪い癖だと話していましたが、それを防ぐために意識していることは?

古江 理想はいつも同じリズムで振ることです。左肩が開くのは早くクラブを下ろそうとするから。だからトップで間を作ることを意識しています。

── トップで一瞬待つ感じ?

古江 そうですね。待っているわけではないんですけど、切り返しで急がないように、ゆっくり下ろす意識です。

── クラブが落ちるのを待っている感覚ですか?

古江 クラブが落ちる感覚はないんですけど、とにかく大事にしていることはリズムです。急がないように“ゆっくり、ゆっくり”と言い聞かせています。

普段の生活リズムからゆっくりを心がけておくと、スウィングでも打ち急がなくなる。お茶を飲むように一息つくぐらいがいい

── 切り返しで間を作るコツはありますか?

古江 肩が早く開くときは、上半身から動いてしまっているんです。バックスウィングでゆっくりクラブを上げて、下半身から動けているときは自然にトップで間ができて、スムーズに切り返しができます。

── 悪いときは上半身が突っ込むということですね?

古江 そうですね。体が突っ込むとヘッドは低い位置から入りませんからね。

【低く入るポイント①】左肩をあごの下まで回す

バックスウィングは左肩があごの下まで回れば十分。以前はもっと深く上げていたが、ややコンパクトになったことで精度が上がった。

【低く入るポイント②】テークバックでクラブを遠くに上げる

体を使ってテークバックすることを重視。フェース面が長くボールを見続けるように上げることで、体とヘッドの距離が保たれる。

【古江のひと工夫】「超フックグリップ」を「フックグリップ」にしました

以前は強烈なフックグリップだった。「パワーがなかったので、強いフックで握っていました。力がついてきたら、左へのミスが多くなったので、少し戻したんです」

「右ひじを真下に下ろす」
打ち急がないポイント

切り返しで急がないポイントとして、右ひじのイメージを説明してくれた。

古江 切り返しは右ひじを下に下ろすイメージがいいと思います。私も調子が悪いときはこのイメージを持つようにしています。

右ひじを地面に向けて下ろす

── 右ひじを地面に向かって落とす感じですか?

古江 そう。目的としては右腕とクラブを体に引きつけることです。手(先)でクラブを下ろそうとすると体とクラブの動きがバラバラになってしまいます。私が気持ちよく振り切れるのは体とクラブの動きが同調しているからだと思っています。

── 確かに古江プロは気持ちよく最後まで振り切っていますよね。

古江 はい。とにかく気持ちよく振り抜くことだけは考えています。身長が小さいぶん、どうしたら戦えるかを考え、たくさん打つことでスウィングを覚えていきました。

── シンプルが一番と言うことですね。

古江 それが大事だと思います。曲がらないのも振り切っているからだと思います。

【低く入るポイント③】左腰を回転させる

始動したら最後まで動きを止めることがない。体の回転で打っているから、クラブが低い位置から入ってきてもダフらず振り抜くことができる。

【低く入るポイント④】右手のひらとフェース面をリンクさせる

インパクトはあくまでも通過点だが、ボールを押す感覚は大事。右手のひらをフェース面とリンクさせて、インパクトから先でボールを打つ。

【低く入るポイント⑤】低く長いインパクトゾーンをイメージ

ヘッドは低く長く動くほどボールを押す時間が長くなるので、出球の方向が安定する。曲がらないのは点ではなく、インパクトがゾーンになっているから。

かつて古江を取材した武市悦宏プロ

彼女は当時からすごくシャローにクラブを使っていました。でもそれは意識して行っていることではなく、たくさん球を打って自然に身についたんだと思います。3年前は1時間で200球打っていました。このスウィングは努力の賜物なんだと思います。(武市)

中学3年生時のスウィング

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弾道のイメージを明確にする
プレショットルーティーン

── スウィング以外で大事にしていることはありますか?

古江 どういう弾道の球を打ちたいのかを決めてから打ちます。極端に言えば、それだけしか考えていません。

── それは球の高さとか。

古江 それもありますけど、例えばフェアウェイウッドでピンを狙うなら、そのピンに対してどんな弾道が必要かをしっかりイメージします。それがあやふやだと、スウィングも中途半端になってしまうんです。

古江 弾道のイメージを明確にすることがシャローに入れることに、プラスになっていることは間違いありませんよ。

実際のプレー中も、頭の中で弾道を絵を描くようにイメージ

明確にするにはルーティーンが大事

PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Takanori Miki
週刊GD2019年12月24日号より

沖縄の広いフェアウェイでフェアウェイウッドを思いっきり打とう
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