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アゲンスト、狭いホール、冬ゴルフ…“低い球”が最強なこれだけの理由【D・チャンドのローボール講座】<前編>

冬は寒さで飛距離が落ちるが「ローボールなら転がるから、冬でも距離が出るヨ!」と言うのは、海風の強いフィジー育ちのチャンド。しかも日本のコースはローボールと相性がよく、日本ほどローボールが必要な国はないとのこと。日本の冬ゴルフでは必須技能、学んでおいて損はない!

TEXT/Yumiko Shigetomi THANKS/船橋CC PHOTO/Tadashi Anezaki

ローボールは、林より上に行かない高さで飛んでいく。広いホールで無風なら高い弾道が有効だが、日本のコースなら、普段の半分の高さで打ったほうがスコアに繋がる、とチャンドは言う

解説/ディネッシュ・チャンド

子供の頃に働いていたフィジーのゴルフ場でビジェイ・シンと出会いプロを目指す。20歳で来日して25歳でプロテスト合格。ツアー3勝。今季からシニアツアーに参戦している

ランを生かせる冬こそローボールの出番

チャンドが育ったフィジーのゴルフ場は海風が強いため、必然的にローボールを打つ必要があったという。

「ビジェイ・シンが練習に来ていたから、近くで見て打ち方を覚えたよ。そのローボールが、今でも役に立っているんだ」

日本はフィジーほど風が吹かないと思うが……。

「ボクは風の日だけじゃなくて、打ち下ろしや狭いホールでも打っているよ。シニアツアーは距離が短くて狭いホールが多いからね。高く上げると曲がる球でも、低い弾道で早く地面に落ちれば曲がりが少ないからOBまで行かないんだよ」

ローボールは飛距離が落ちるためなかなか打つ気にならないという人も多いが……。

「冬は地面が硬くなってたくさん転がるから、トータルの飛距離はさほど落ちないよ。弾道はフィジーで打ってたほどは低くしないで、普通のショットの半分くらいの高さのイメージ。林より高く上がらなければ風の影響を受けにくいからね」

半分の高さにする打ち方のポイントは、インパクトを長くすることらしい。

「ボールをいつもより中に入れて、ヘッドを低く出していけばローボールになる。ボクはボールの先にもうひとつボールがあって、それも打つようなイメージにしてるんだ。ボクはこの2つだけでローボールが打てるけど、アマチュアはスウィングがアッパーでロフトが寝て当たる人が多いのが問題。そういう人はローボールの練習をすればスウィングも良くなるよ」

アゲンストだけじゃない!
ローボールが役に立つシチュエーション

(1)向かい風、横風
(2)打ち下ろし
(3)狭いホール
(4)林間コース
(5)冬ゴルフ全般

打ち方のポイント1
30センチ先でもう1球打つイメージ

打ち方のポイント2
ボールを一個分内側に入れて構える

D・チャンドのローボールスウィング

>>ローボール練習には
スウィングの大事が詰まっている!

月刊ゴルフダイジェスト2023年1月号より