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腰が開いてもスライスしない理由とは? 今どき女子に学ぶ飛ばしの秘密<前編>

最近の女子ツアーはますます選手たちの飛距離が伸びているがその背景にはスウィングの大きな改変がある。昭和的スウィングから抜け出したい人は彼女たちから学ぶべきだ!

TEXT/Yumiko Shigetomi THANKS/函南GC PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa

勝みなみ アマチュア優勝を含むツアー8勝。平均飛距離は251ヤードで5位。157センチ、24歳

解説/坂詰和久

長年にわたって佐伯三貴のコーチを務めながらジュニア育成にも尽力し、馬場咲希を全米アマ優勝へ導いた。HMBゴルフアカデミーヘッドコーチ

クラブの軌道は肩の向きが影響する

近年は体を開いて打つというのはよく言われているものの、改めて女子プロたちのインパクト写真を見るとビックリするくらい開いている。昭和時代にはありえなかった形だ……。

「昔はインパクトで体の回転を止めて手を返していかないと球がつかまりませんでした。回転を止めずに体が開くとカット軌道になったりフェースが開いてスライスが出てしまっていた。だから『体の正面で打て』という教えだったんです」(坂詰)

では、どうして今は開いて打っても球がつかまるのか?

「まずはクラブの進化で球がつかまりやすくなったことがひとつ。そしてスウィング解析システムの進化も大きい。体を開いて打ったほうが飛ぶことがわかったので、ストロンググリップなど球がつかまる要素を取り入れる人が増えました。そして大事なのが、勝みなみ選手のように胸から下はすごく開いていても肩はあまり開いていないということ。腰は水平に回っているけど肩はタテに回しているのでカット軌道にならないんです」

【昭和の常識】
「体の正面で打つ」がセオリーだった

腰は少し開くが胸は正面に向けたまま打つと、フェースが返って球がつかまると教えられていた

【令和の新常識】
体の右サイドで打つ

勝みなみは腰が目標方向を向くくらい開いているため、感覚としては体の右側で打つ感じになる

つかまる理由1
胸から下は開いても肩はほぼスクエア

腰は水平に回しても肩はタテに回すようにすればクラブはインサイドから下りてきて球はつかまる。肩のラインが開いてしまうとカット軌道や振り遅れになり、右に飛びやすい

つかまる理由2
右ひじを体の前に持っていく

右ひじを体の横にくっつけたまま振るとフェースが開きやすい。右肩を下げるのと同時に体の前側に持っていくようにすると手の位置が低くなって振り遅れにくい

つかまる理由3
左手はストロンググリップで握る

ウィークグリップだと手を返さないと球がつかまらない。ストロンググリップで握れば、左手を無理に返さなくても球がつかまりやすい

>>現代の飛ばしの秘密をさらに深堀り!

  • 「トップは深いほうが飛ぶ」「頭は動かしてはいけない」……ひと昔前は常識と言われていたことが、近年活躍している女子のスウィングを見ると、どうも当てはまらない。その真相を、引き続き坂詰和久コーチに聞いていこう。 TEXT/Yumiko Shigetomi THANKS/函南GC PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Shi……

月刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より