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最近増えているインドア練習場の弾道計測器。正しく使いこなすためのデータの見方

駅からのアクセスがいい、24時間営業をしているなど、「手軽に行ける」と近頃ブームになっているインドア練習場。より上達するための、最新計測器の活用法を教わった!

解説/西村至央 にしむらゆきひさ。神奈川や東京を中心にミライズゴルフアカデミーを主宰するレッスンプロ。最新データ機器を使うレッスンが特徴。試打した場所は8月に横浜市に新規オープンした金港ゴルフスタジオ

データの活用次第でスキルは格段に上がる

近頃、最新計測器がそろうインドア練習場がブームとなっている。しかし、そのデータを使いこなせている人は少ないと西村至央プロは言う。

「アマチュアの人はデータを見るといっても大体が飛距離を見るくらいで終わってしまっています。しかし大事なのは“なぜ”飛距離が出なかったり、曲がり幅が大きくなってしまうかの原因を知ることです。そこでまずチェックしてほしいのが、飛びの3要素と言われる『スピン量』『打ち出し角』『初速』です。下に示した適正値は誰にでも当てはまるもの。この数値のどの部分が適正値から外れているのかを理解し、練習していくべきなのです」

飛びの3要素の次には、どの項目をチェックするべきなのか?

「3つのデータで適正値から外れてしまった場合、次のステップで見るべきなのは『ヘッド軌道』です。飛びの3要素を適正値に収めるにはインサイドから入ることが絶対条件。だからこそ、第2段階で『ヘッド軌道』を修正していくのです。それでも適正値を超えるのであれば、入射角やインパクト時のフェース向きをチェックするといいでしょう」


「スピン量」「打ち出し角」「初速」をチェックしよう

飛びの3要素と言われる「スピン量」「打ち出し角」「初速」の数値をまず見る。この3つの数値は、飛距離や曲がり幅に大きく関わってくる。

●「スピン量」の適正値>>1800~2500rpm
インパクト直後のバックスピン量の数値。多すぎると前へ進む力が減り、少ないほど球が浮く力が減る。飛距離もロスする
●「打ち出し角」の適正値>>11度~16度
インパクトでボールが打ち出される角度。ヘッドの入射角とインパクト時のロフト角で決まる。低すぎても高すぎても飛距離が伸びない
●「初速」の適正値>>HSの1.4倍以上
ボールが打ち出された速度を表す。効率のいいインパクトほど、初速が出やすい。目安はヘッドスピード(HS)の1.4倍以上の数値

※適正値はドライバーデータのもの

1つでも適正値が外れていたら…疑うべきは「ヘッド軌道」

飛びの3要素のすべてに関係するのがヘッド軌道(クラブパス)。適度なインサイド軌道なら、球を押せる効率のいいインパクトになりやすい。逆にアウトサイドから入るカット軌道だと、こすり球になりやすい。

ヘッドがアウトサイドから入るとクラブパスの数値はマイナスになり、インサイドから入るとプラスになる

頭を右に向けるとインサイドから下りる

切り返しで頭を右に向けるようにすると、右肩が前に出ず、インサイドからクラブが下りやすい

球の高さが出ない>>入射角をチェック

右足を粘ればアッパー軌道になりやすい

入射角がダウンブローになるのは、体が突っ込むことが原因。右足を粘るように体を使うことで自然とアッパー軌道になる

初速が出ない>>フェースの向きをチェック

左わきを締めてフェースを管理

フェース面は手元で操作すると、ズレやすくなる。左わきを締めて回転していくことでスクエアにインパクトできる


こんなデータの使い方もある!

(1)全番手のキャリー把握
番手ごとの数値で大事なのはキャリー。全番手のキャリーを知ることでマネジメントを組み立てやすくなる
(2)同ロフトのUTとアイアンの比較
同じロフトのアイアンとUTやFWなどを打ち比べることで、自分に合ったクラブがわかる。セッティングに生きる
(3)曲がりの傾向を知る
データを見ることで、自分クセを知ることができる。コースでの攻め方も変わってくる
4)打点チェック
インパクト時の打点が毎回そろっているかのチェック。打点がそろっていないと、ミート率のロスにつながる

月刊ゴルフダイジェスト2022年11月号より