「フェース向き」と「手元の高さ」で3つにタイプに分けられる。一流たちの“トップ”に注目!
最新スウィングに詳しい吉田直樹コーチによると、現在PGAツアーで活躍しているトッププレーヤーたちのスウィングは、トップの形によって3つのタイプに分けられるという。それぞれのどんな特徴があるのか。
PHOTO/Blue Sky Photos
解説/吉田直樹
小祝さくらや谷原秀人を教えるプロコーチ。アメリカでの経験を生かしレッスンを行う
「フェース向き」と「手元の高さ」に注目
PGAツアー選手のトップの形を見ると、大きく3つのタイプに分けられます。まずはローリー・マキロイに代表されるAタイプ。フェース向きがスクエアで、手元が頭と同じ高さ、もしくはやや高めにくるトップです。この形は、切り返しでクラブをプレーン上に下ろしやすく、ヘッドを体の正面にキープできるので再現性が高いスウィングと言えます。
次にキャメロン・スミスに代表されるBタイプ。フェースをクローズに使い、手元が低い位置に収まります。手元の位置が低いことで、クラブがインサイドから下りやすくなり、入射角がゆるやかになります。加えて、フェース面の向きをキープしながら体が先行して開くように回転量を多くすることで、フェース面が早い段階でスクエアになります。つまり長いインパクトゾーンを作り出せるスウィングと言えます。
最後にシェフラータイプ。フェース面はオープン。右わきを開け、手元を高く上げるタイプです。このタイプは、重力を利用しヘッドスピードを上げています。つまり、自分の振る力と自然の力を効率的に使えて、飛距離が出せるスウィングと言えますね。
Aタイプ
フェース向き=スクエア 手元の高さ=中
体の正面に常にクラブがあり再現性が高い
切り返しからクラブをプレーンに下ろしやすく、常にヘッドが体の正面にあり続けるスウィング。再現性が高くミスも少ない
Bタイプ
フェース向き=クローズ 手元の高さ=低
回転スピードで飛ばすタイプ
右わきを締めて、体の回転のみで上げるため、トップは低い位置に収まる。手首の角度をキープしたまま、体の回転スピードで飛ばす
Cタイプ
フェース向き=オープン 手元の高さ=高
重力をフル活用してヘッドスピードを上げる
ヘッドが下りる力(重力)を使いヘッドスピードを上げて飛ばす。ヘッドを閉じる時間を作るための“間”が大きいのも特徴
トップ選手たちのタイプをチェック!
■スコッティ・シェフラー <Cタイプ>
手元を高く上げ、フェース面はオープン。右足をお尻側に引く動きでインパクト手前からフェースの開閉を使うのが特徴
■キャメロン・スミス <Bタイプ>
左手首を手のひら側に折りながら体の回転だけでトップを作る。手元が低くなり、フェース面はクローズなトップ
■ザンダー・シャウフェレ <Aタイプ>
フェース面はスクエアからややクローズ気味。手元が頭の高さより少し上の位置にある、ゆとりのあるトップ
■パトリック・カントレー <Aタイプ>
フェース面はスクエア、手元を頭の高さと同じ高さに上げることで切り返しから、ヘッドをプレーン上に下ろしやすくする
■ローリー・マキロイ <Aタイプ>
手元の位置が頭の高さでフェース面はスクエアからクローズ気味。体の回転で切り返すことでクラブがプレーン上に下りやすい
■ジャスティン・トーマス <Cタイプ>
手元を高く上げることで、重力を生かしてヘッド初速を上げるタイプ。切り返しで間を作りフェースを閉じていく
■松山英樹 <Aタイプ>
フェース面をスクエア、手元は頭の高さよりやや上。まさに教科書通りのトップで切り返しからプレーンに下ろしていきやすい
■ウィル・ザラトリス <Cタイプ>
フェース面をオープン、手元をかなり高く上げるタイプ。身長と手元の高さでヘッドスピードを一気に上げる
月刊ゴルフダイジェスト2022年10月号より