【スウィングづくり】ヘッドスピード3m/sアップ! 飛距離20ヤードアップ! シニアの飛ばし屋・海老原清治プロが実践「振るチカラ」鍛錬法
最近飛ばなくなったなぁ…、とお嘆きのアナタ! 飛距離をあきらめるのはまだ早い。ただ“振れなくなている”だけなんです。いま一度「振るチカラ」を取り戻して、2020年はライバルの先へズドンと着弾!
シニアの飛ばし屋・海老原清治
ヒマつぶしの遊びが、飛距離の大元
御年70歳にして、いまだに250㍎以上の飛距離を維持している海老原清治プロ。その“振るチカラ”の原点はヒマつぶしの遊びだったという。
海老原 20歳の頃、お客さんのスタートを見送る仕事をしていて、結構ヒマで…。気づいたら立てかけてあった“竹ボウキ”を振ってたんだ。そしたら適度な抵抗と重さの振り感が良くってね。フォローで鋭い音が出るように振ると、実際の、ゴルフでも飛距離が出るように。
研修生時代に始めた
竹ボウキ素振り、はや半世紀
海老原 人より腕力がなくて飛ばなかったんだけど、竹ボウキのおかげでクラブが軽く感じ、ブンプン振れるようになったんだ。なんだかんだ50年振り続けているね。いまも250㍎は行くよ、60代の後輩プロにも飛距離はぜんぜん負けないよ。最近振れないなって思った人は、一度試してみるといいよ。
海老原プロの竹ボウキ物語
1970年ごろ、海老原青年は、10番のスタートホールで朝の8時から10時までお客さんのスタートを見送る仕事をしていた。
腕力は人よりなかったのに、飛ぶようになったのは、ホウキのおかげ。クラブが軽く感じるようになったから。
左から山本善隆プロ 高橋勝成プロ。グランドシニアの試合では、飛距離は負けない。シニアの50代の選手がライバルかな。
重く空気抵抗のあるモノを振ると
下半身リードが勝手に身につく
海老原 1日20回、最初はゆっくり、最後の5回は全力で振るというのを、毎日続けたら飛距離は落ちないですよ。竹ボウキは重いから自然に足から順番に動くのがいい。だから自然とフォローサイドでビュッと早く振れる。スウィングでもボールに当てに行くのではなく、フォローに向かってビュッと振り抜けることが振るチカラがあることになるんだよ。お客さんに進めてもなかなか振ってくれないけどね(笑)。
【ポイント1】 グリップはゆるゆるに
強く握るほどホウキが「立って」しまい、体の回転方向と合わなくなる。
【ポイント2】 右サイドで音が鳴らないように
振った時に体の右側で音が鳴るようだと、最後まで振り切れない。
【ポイント3】 体を右に回した勢いでほうきを振り上げる
「飛ぶ人はみんな、速く(テークバック)、速く(ダウンスウィング)」と海老原プロ。体の回転で勢いよく上げられるのがホウキの利点。
【ポイント4】 切り返しから体全部を左に回す
重いホウキは、どうやっても体で下すしかない「左向け、左」だけで、下半身リードや「ビハインド・ザ・ボール」が勝手にできるようになる
右肩で上げて左肩で下す、
それが大きく体を使うコツ
海老原プロみたいに、いつまでもスムーズに振るコツは、本人曰く、「先にあるものを片付ける意識が大切」とのこと。「先にあるもの」とは、肩のこと。
海老原 バックスウイングは右肩が先にあるから、右肩を早く動かす。そうすると、左肩は入れようとしなくても勝手に入るでしょ?
海老原 トップからは、今度は左肩が先にあるから、左肩を先に片づけるわ。そうすると、右肩が残って、クラブが『たまる』よね。
海老原 で、最終的に左肩の空いたスペースに右肩がズドーン。ダメなのは、右サイドで下すことで、それだと大きく、速くは振れないよね。
テークバックで、まず右肩を後ろにどかす(写真左)。そして、空いた空間にクラブをスッと上げる(写真右)
トップから左肩を戻して切り返しスタート。(写真左)。そして、左サイドの空いた空間にクラブを出す(写真右)
ポイント 右手をフォローで押す意識が大切
米ツアーに挑戦している
河本結プロが竹ぼうきチャレンジ
河本 私にとってはすごく重いので体を先行し振られるようになります。無駄な動きなく振り切れ、ウォーミングアップにちょうどいいです。
河本が気づいた、竹ボウキ素振りのいいところ
【いいところ①】フォローで押せて減速しない
ドライバーに持ち替えると軽く一気に振り切れるので、フォローで球を押せる感じがします。
【いいところ②】 軽く感じて体がよく回る
体の可動域も大きくなるのか、体が軽く感じます。トップでもフィニッシュでも体が大きく回せます。
【いいところ③】 ヘッドをあまり感じずフェース向きが気にならない
ホウキの重さに慣れるとクラブの重さが気にならなくなり、ボールに当てに行く動作がなくなりそう。
河本 悪い動きが勝手に改善されるのが、本当にいいですよね。
月刊GD2020年3月号より
テキスト/菅原大成、イラスト/関谷学
PHOTO/Hiroaki Arihara、Kazuo Iwamura、Yoshimasa Nakano
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