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【新・待ってろ、ウエハラ!】Vol. 3 アプローチのミスの原因は“見えない傾斜”にあった

大畑大介と上原浩治との「ゴルフ対決」は上原に軍配が上がったはずだったが「あれは本番ではなかった」と言い張りだした大畑。パート1で出会った青木翔を“専属コーチ”に任命し、再修行開始。今回はワザの“引き出し”を増やすアプローチ練習。さあ、薬箪笥ぐらいに増やしてやろうじゃないか!

ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら

青木コーチにレッスンしてもらってから、実戦でイロイロ試してみたくてラウンドの回数が増えた。中には何度かプレーしたことがあるコースもあって「次の3番ホールは、前のラウンドでバンカーにつかまっちゃってたな」とか覚えてるから、余計楽しくなるよね。ゴルフは相手とスコアを競うけど、コースとの闘いってのもよくわかる。
でも、そこでふと考えてみた。コースは闘う相手だけど、別に木や芝が勝手にボールをかっさらって難しい場所に移動させてるわけじゃない。難しい場所に打ってるのはオレで、そこから打つのもオレ。つまりコースのことをちゃんと知っていれば、そんなに難しく感じることはないんじゃないかって。あぁ、また一つ悟りを開いてしまった。
ただ、肝心の対処法が分からないとお話にならないから、そこは青木コーチに聞いて新たな境地に到達するぞ。待ってろ、上原!


平らな所はないと思ったほうがいい

ラウンドの中で最も多いのがアプローチのミスという大畑。だが、その練習を見た青木コーチは意外な評価。

青木 大畑さんって実はけっこうアプローチ上手いですよね。

大畑 世界の青木コーチにレッスンしてもらったからな。でも、グリーン周りはいいイメージが全くないけど。

青木 それはカップが近いためミスが致命的なものになって、その印象が深く残ってしまっているんだと思います。打ち方はイイ感じです。

大畑 じゃあ何でミスするの?

青木 それはライが真っ平らじゃないからです。

大畑 いやいや、今練習してるココは平らでしょ。打ちやすいと思ってわざわざこの場所を選んだんだから。

青木 じゃあグリーンの傾斜を読むみたいに、かがんで見てみましょう。

さっそく練習場で姿勢を低くする2人。

青木 気づいちゃいました?


大畑 ちょっとだけ、つま先上がりだ。周りの傾斜に比べると大したことないから、平らに見えてしまったのか……。

青木 その通り! グリーン周りは特に大きな傾斜が作られていることが多いですよね。そっちが目立つので、小さな傾斜は見逃されがちなんです。

大畑 何十年も平らな芝の上で過ごしてきたから気付かなかったわ~!

「ラグビーのグラウンドって平たかったんやなあって改めて思うわ」(大畑)

「ヘッドの邪魔」はしない

大畑 これで、打つ前の確認は完璧や。で、打ち方のコツは?

青木 傾斜なりに立つ。スウィングではヘッドの邪魔をしないことです。

大畑 う~ん、もうちょっと簡単に言って。どういう意味?

青木 例えばこのつま先上がりって、ヘッドの先側に傾斜がある状態ですよね。だからそっちから打つと、ヘッドがボールより先に地面に当たる。それを避けるため、障害になるものがないボールの内側からヘッドを入れてあげるんです。

大畑 それだけ? オレがこれまで悩んでいたのはなんだったのか……。

青木 ミスショットが出てたのは、ほぼ傾斜の読み間違いです。左足上がりなのにボール位置を平らなライと同じ場所にセットしてたというだけ。

大畑 じゃあ、グリーン奥とかの法面(のりめん)は? 力がみなぎってグリーン奥の斜面に突き刺しちゃうことがよくあるんだけど。これくらい傾斜がキツイとさすがに特殊な打ち方が必要でしょ。

青木 基本的には傾斜なりに立って「ヘッドの邪魔をしない」ということだけ考えればOKです。

大畑 じゃあやってみるか。急激な左足下がりだと、ダウンスウィングで詰まっちゃう感じがするけど。

「普通に振ると右足が邪魔になりますよね。右足をガバッと引いてOK。これで手が詰まる感じがなくなるでしょ」(青木)

青木 普通に振ると右足が邪魔になりますよね。

大畑 オレの立派な右ももに手が当たりそうになる。

青木 じゃあ右足をガバッと背中側に引いてください。

大畑 おぉ、振りやすい! 詰まる感じが無くなったぞ!

青木 傾斜なりに立って素振りを何度かすれば、ヘッドの通り道がわかってきます。その時にダフったりしたら、それは傾斜の読みと立ち方が合っていないということ。

大畑 打つ前の素振りって“感じ”出すためにやるのかと思ってたわ……。

青木 んなわけないでしょ!

苦手意識の強かったアプローチを、サクッとクリアした大畑。次回はいよいよ個別レッスン最終回、パット編です!

【今週のバージョンアップ】
足が邪魔なら引いてみな!? 
ヘッドの邪魔をせんことが大事なんやね

令和の武蔵になる!

オオハタダイスケ

大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ゴルフのベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語するスーパーメンタル&フィジカルでゴルフ修行へ

迎え撃つは

ウエハラコウジ

上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。同窓生・大畑の挑戦を待つ

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月2日号より

CS放送のGAORAでは「大畑大介×青木翔 レッツトライゴルフ! ~待ってろ上原~」がオンエア中(火曜日23時30分~23時45分 ※再放送あり)