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【ユーティリティの打ち方】狙ったところへ正確に。UT名人・高橋勝成プロの「針の穴を通すUT講座」

2019年、シニアツアーの競技で2日間連続エージシュートを達成するなど、69歳になった今も技術力の高さが際立っている髙橋勝成プロ。バックのなかに3本入れているというユーティリティ(以下UT)は、今やスコアメークの中心的な存在だと話す。その活用法を説明してもらった。

【解説】高橋勝成
1950年生まれ、北海道出身。15年連続シード保持、日本プロマッチプレー2度制覇。シニア賞金王は2000年から3年連続獲得

ユーティリティを使い始めて4~5年
ライバルに「UT名人」と呼ばれる

GD シニアツアーのプロに、「UTの名手は? 」と聞くと、髙橋勝成プロの名前が真っ先に上がります。

髙橋 UTを使い始めて、まだ4~5年なんですけどね。試しに使ってみたら、ロングアイアンよりも球がやさしく上がって、グリーンでも止めやすい。インパクトもシビアじゃないし、ラフからも打てるから、使い勝手がいいんです。

GD アマチュアも使いこなせれば、スコアメークの武器になると思うんですが、上手く打つコツはありますか?

髙橋 右利きの人なら、右腕がいちばん自在に扱えるんだから、それを利用しないのはもったいない。ただし手打ちはダメです。しっかり体重移動を使って、右手主体にスウィングしましょう。ミート率を上げるには、大振りは禁物。前傾姿勢が保てる範囲内で、クラブを振り切る意識を持つといいですよ。

利き腕が右手ならば
体重移動を使って
右手主体で振る

3本のUTを入れています!
ロフト違いのUTを3本、バッグに入れているという髙橋プロ。「コースのセッティングによりますが基本的にはUT3本で、アイアンは6Iから」

右に体重移動しつつ右腕で上げ、左へ体重を乗せて左肩まで振り抜く!

【振り方①】手打ちではなく、自然な体重移動が大事

髙橋 下半身を止めずにバックスウィングでは右、ダウンスウィング以降は左と、自然な体重移動で振っていきます。利き腕の右腕を主体に、まずはボールをつかまえる動きを身につけることが大事。

簡単なクラブだからと手打ちになるとミスが出始める

【振り方②】あごを下に向けたまま振れる範囲でスウィング

髙橋 飛距離を出そうとして、前傾姿勢が崩れるとミート率が悪くなります。あごを地面に向けたまま、クラブを振れるスウィング幅がその人の「フルスウィング」。前傾姿勢もキープできます。

髙橋 私の場合、あごを下に向けたままスウィングできる振り幅は右肩から左肩までです。それ以上は振りません。

あごは地面を差しています

「アゴを下に向けたままスウィングできる私の振り幅は、右肩から左肩まで」

【振り方③】グリプエンドと体の距離を保ったまま始動

GD しっかり体重移動を使って振るためのポイントを教えてください。

髙橋 多くのアマチュアの方は、手先だけでクラブをヒョイと上げがち。バックスウィングで体重を右に乗せるには、体の回転と腕の動きを同調させることが大事です。私が意識しているのは、テークバックの始動のときに、グリップエンドの向きと体との距離を変えないことです。

GD 手先だけで上げると、グリップエンドの向きも体との距離も変わってしまいますね。

髙橋 UTの場合、グリップエンドは左足の付け根を差しますが、イメージとしてはグリップエンドからさらにシャフトが伸びていて、左足付け根にくっついたまま、始動する感じです。

グリップエンドが左足付け根にピッタリとくっついているイメージでテークバックを始動。「手先だけで上げると、グリップエンドの向きも体との距離も変わってしまいます」

GD 長尺パターを振るようなイメージですね。

髙橋 よく、左肩を深く入れて、ヘッドを低く長く引けといいますけど、地面のボールを打つショットでは必要ありません。体と腕を同調させて始動したら、そこからは右手で引き上げる意識でトップまで上げていく。あくまでも主役は利き腕の右手で、左手は添えるだけです。

グリップエンドが左足付け根を差す

髙橋 UTのプル角どおりに構えると、手元がほんの少しハンドファーストになる。これがスクェアです。高く上げようとしてハンドレートに構えると、ロフトが寝て、フェースも開きます。

右手の位置に左手は添えるだけ

「右手の指先でクラブを引っ張るようなイメージで、バックスウィングします」

「左肩を無理に深く入れる必要はありません。いつものアドレスから右手を上げ、左手はその位置についていくだけ。これで左肩は十分入ります」

低く長いテークバックは必要ナシ

髙橋 テークバックを低く長く引くのは、ゆるやかな軌道でややアッパーにボールをとらえたいから。ドライバーでティアップしているときには有効ですが、UTのように地面のボールを打つ場合は、ダフリやトップのミスが出やすくなります。

【振り方④】お尻から動かしてお尻から戻す

髙橋 これはUTに限ったことではないですが、ゴルフのスウィングは下半身が先行して動き、それに連動して上半身が動くというのが基本中の基本です。

GD “下半身リード”ですね。

髙橋 アマチュアの多くは上半身が先で下半身が後になったり、上半身で上げて、下半身から戻そうとするから上手くいかないんです。下半身から動き出すために意識するといいのが、お尻の左側です。お尻の左側を目標に向けるように回転させて始動すれば、下半身から動き出せます。

テークバックでは、お尻の左側を目標に向けるように、腰を回転させて始動。「下半身が先に動いて、手とクラブはそれに連動するだけです」

GD なるほど。

髙橋 もうひとつ、大きなフィニッシュを取れとよく言いますが、それもミート率を下げる原因になります。さっきも言ったように、あごを地面に向けたまま振れる範囲で、しっかり振り切ることが大事。フィニッシュはあくまでも結果で、意識的に形を作るものではないんです。

下半身が動いて上半身が動くのが正解

髙橋 下半身リードでダウンスウィングするには、下半身で動き出さないとできません。上半身から動き出すと、上半身からしか下ろさないと、元の形には戻せないんです。

下半身が先行して動けば、ダウンスウィングも下半身リードでクラブを下ろせる。「下から上へと、パワーが伝わるのが理想です」

上半身が先行し、それに下半身が連動するのはNG。「上からヘッドをぶつけるようなスウィングになり、インパクトも安定しません」

フィニッシュは振り切ることが大事

髙橋 ピタッと決まったフィニッシュはカッコよく見えますが、あくまでもクラブをしっかり振り切れた結果であって、意識的に大きなフィニッシュを作ろうとしても意味がありません。

あごを地面に向けたまま、前傾姿勢を保ったまま、スウィング。「それが可能な範囲内でしっかり振り切れれば、自然とフィニッシュは収まります」

プロが大きなフィニッシュを取るときは、「ボールを高く上げたいときに自然とそうなるだけ。意識的に形を作ってもスウィングはよくなりません」

UT名人を
続けるために
ストレッチは欠かしません

髙橋 柔軟性を維持するために、ストレッチは欠かしません。とくに、肩や肩甲骨周りと股関節やお尻の筋肉は、放っておくと硬くなりやすいので、シニア世代の方はストレッチを心がけるといいですね。それがケガの防止にもなります。

肩と肩甲骨周りをほぐす

髙橋 棒に両手や片手でぶら下がるだけで、肩や肩甲骨周りから、左右のわき腹までストレッチできます。昔のぶら下がり健康器だね(笑)。

お尻の筋肉を伸ばしておく

髙橋 ベンチなどに片足を曲げて乗せ、上体を前に倒す。股関節とお尻の筋肉をストレッチ。気持ちいいと感じるぐらいでOK。毎日続けることが大事。

有馬ロイヤルゴルフクラブに設置されているストレッチルーム「Kat’s club」

有馬ロイヤルにお越しの際は、ご活用ください!

有馬ロイヤルゴルフクラブ
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GD ファンは髙橋プロが元気にプレーする姿を、一日でも長く見たいと思っています。

髙橋 シニア世代のアマチュアゴルファーに勇気を与えられるように、まだまだ頑張りますよ。

TEXT/Toshiyuki Funayama、PHOTO/Shinji Osawa

週刊GD2020年3月3日号より

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