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【バンカーレッスン】サンドセーブ率No.1、柏原明日架の「バンカーショット」は"パンッ"といい音でナイスアウト!

「バンカーショットが上手いプロは誰?」と女子プロに聞くと、柏原明日架プロの名前が実によくあがる。現にバンカーから2打かそれ以下で上がる「サンドセーブ率」は堂々の1位。砂の女王は「意識しているのは音です」と言うが、その極意とは果たして?

【指導】柏原明日架プロ
アマチュア時代から実績を残し、2014年にプロ入り。2019年は2勝を挙げ賞金ランクは11位。長身とルックスでファンも多い。

柏原明日架プロの原点
昔はバンカーが嫌いで仕方なかった

── 昔からバンカーは得意だったんですか?

柏原 中学生の頃はめちゃくちゃ苦手でした。バンカーに入ったら「あ、終わった」みたいな感じ(笑)。それで父に「ここ(フェニックスゴルフアカデミーのバンカー)からトイレ以外は出てくるな!」と言われて…

柏原プロのバンカーショットの原点。フェニックスカントリークラブのバンカー練習場

柏原 毎日やり続けたら、だんだん音が変わってきたんです。ヘッドが砂に当たる感覚が分かってきて、バウンスが使えるようになったんです。

── ヘッドの入れ方がわかったということですか?

バウンスを砂に当てると
いい音が出始める

柏原 そうです。バンカーが通常のアプローチと違う点は、ヘッドを砂の中に潜らせないといけないこと。潜らせながら滑らせる。そのためにはバウンスをどう当てるかが大事です。

── 当て方がよくなると乾いたいい音がでる?

柏原 いい音がしないのは、バウンスが使えていないから。ヘッドの入り方が鋭角すぎて砂にただ刺さっているだけ。それだと砂の抵抗が増えて力があっても振り切れないんです。

── 打ち込んでいるイメージではないということですか?

柏原 ないですね。もちろんヘッドは上から入りますが、打ち込むというより砂ごと”運ぶ”イメージです。

── 打った後もフォローはしっかり取るわけですね?

柏原 基本的にはしっかりフォローを取ります。とにかく、昔はどうすればいい音が出るのか、そればかり考えながら練習していました。おかげで、今はバンカーがめちゃくちゃ得意になりました。

これが基本 バウンスが使える構えを作りましょう!

基本的な構えはフェースを自分から見て時計の1時くらいに開き、スタンスもややオープンにする。スタンスを少し広げて重心を下げて構える。

足場を砂に埋めるときはかかと体重ではなく、つま先側にかける。重心を落とそうとするとかかと側に体重がかかりやすいので注意。

Point③
6:4で右体重

左足に体重をかけると入射角が鋭角になりヘッドが砂に刺さりやすくなる。右足に加重して、その体重配分をキープしましょう。

上から入れるのが基本
始動の瞬間コックを入れる

バンカーショットは形から決める

── いい音を出すためにスウィングで大事なことは?

柏原 「どこにヘッドを落とすか」です。私の場合、基本はボールの1個手前。そこにヘッドを入れていきます。苦手な人は思ったところにヘッドを落とせていません。その原因はひざの高さにあります。

基本はボール1個手前を狙って振り下ろします

── ひざの高さが変わってしまうということ?

柏原 そう。入射角が鋭角すぎると刺さると言いましたが、いい音を出すにはある程度上からヘッドを入れる必要があります。ひざの高さが変わると体の軸がブレて体が突っ込んだり、あおり打ちになってります。

── 上から入れるために大切なことは?

柏原 始動で少しコックを入れることですね。コックを入れずに上げると。インサイドに上がりやすくなる。コックを入れることで自然に上から入る形を作ることが大事なんですよ。

始動でコックを入れるイメージ

適度に上からヘッドを入れるには、ややアウトサイドにヘッドを上げる感覚が必要。コックを使って外に上げるイメージ。インサイドに上げると上から入りにくくなる。

ココも大切!
ひざの高さをキープしよう

ひざの高さがキープできていればヘッドは必ず同じ位置に落ちる。上げて下ろすだけのシンプルなスウィング。

打って終わりじゃない!
ピンまで「25Y」なら振り幅は「80Y」

── バンカーショットの距離感は振り幅ですか?

柏原 まず知ってもらいたいのは、バンカーショットは通常のフルショットの3分の1しか飛ばないということ。私の場合、サンドウェッジで芝からだと82~83㍎なので、一般的な砂質であれば25㍎くらいまで。それ以上距離があるときはクラブを変えることで対応します。昨年は試合で9番アイアンで打ったこともあります。

── だからフィニッシュをしっかり決めることが大事なんですね。

柏原 そうですね。とくにヘッドを砂に入れた後が大事です。フォローではフェースに乗った砂を自分の後ろに飛ばすように動かしています。同じフルショットでも芝から打つのとは少し違うかもしれませんね。

ポイント①
フォローでフェースを自分に向ける!

砂の中でのフェース面の向きも意識。フォローでフェースに乗った砂を後方に飛ばすイメージが必要。横に飛ぶのは間違い

ポイント②
フィニッシュはひざを柔らかく

通常のフルショットなら左足に体重が乗り切るが、バンカーショットは右に残ったまま。ひざが伸びないようにアドレスの形をキープしましょう

── 逆に飛ばさないときは?

柏原 25㍎以内は、振り幅でコントロールもしますが、セットアップでフェースの開きを大きくするなどして対応します。開いたぶんだけスタンスもオープンにします。

── 打ち方は変えないということですね?

柏原 できるだけシンプルに考えて、シンプルに打つことが大事。インパクトの強弱で調整しようとすると必ずゆるみますからね。

ラウンド前にチェックして!
線を引いて自分のクセを知ろう

思ったとこに落とせていますか?

柏原 バンカーの練習場があれば必ずやってほしいのが線を引いて、その線を打つ練習です。ヘッドが線のどこに落ちているかをチェックして自分のクセを知ってください。

やると意外と難しい練習法。「今でもよく行う練習です」と柏原プロ。もっとも効果が得られると太鼓判

── 線の上にヘッドを落とすことに集中すればいい?

柏原 しっかり振り切ることは忘れないでください。そのとき、どういう悪い動きが入っているかを確認することが目的です。私も一日中この練習をしていました。自分が思ったところにヘッドを落とせるようになると、自然に音もよくなってきます。音がよくなれば、もうバンカー名人ですよ!

週刊GD2020年3月24日号より

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