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【ヒールアップで飛距離アップ】<前編>デシャンボーの“左かかと上げ”は現代の回転系スウィングにピッタリだった

J・ニクラスにT・ワトソン、ジャンボにトミー、新井規矩雄も……。かつて多くのプロが取り入れていた「ヒールアップ」だが、B・デシャンボーが最近取り入れて、M・ウルフもやっている。ドラコン界きっての美スウィンガー、安楽拓也プロによると、現代の“回転重視”スウィングにピッタリだという。そこで今回は、ヒールアップ&ダウンの動きについて、詳しく掘り下げてみた。

PHOTO/Hiroaki Arihara、Blue Sky Photos、KJR THANKS/グレンオークスCC

解説/安楽拓也

411ヤードの公式記録を持つドラコンプロ。スウィング理論に精通し、中里光之介のコーチを務める。YouTube「安楽拓也のらくらく飛ばしチャンネル」も好評。2017年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞

速く回れてしかもブレない!

GD ヒールアップというと、バックスウィングで体を回しやすくするのが目的だと思っていましたが。

安楽 もちろんそれもあるけど、それより大事なのは“どれだけ足を使えるか”です。B・デシャンボーやM・ウルフを見て分かるように、現代の飛ばし屋はフットワークを使うことで回転速度を上げているんです。

GD たしかにデシャンボーもウルフも足を使っていますね。

安楽 昔も今も変わらずスウィングは全身運動なので、足を使うことに変わりはありません。ただ、使う方向性が変わりました。以前は上下の捻転差が生み出したパワーを左サイドの“壁”にぶつけ、回転を急激に止めることでヘッドを走らせていましたが、今は回転速度を上げ、なおかつその回転を止めないために足を使っています。フォローで左つま先が目標を向く人もいますが、これは回転を止めたくない意識の表れです。


GD なるほど、回転速度を上げるためにフットワークを最大限に使っているということですね。でも球がブレそう。

安楽 自転車と同じで、ヘッド軌道もスピードが上がるほど安定します。あと、手で操作しようとするより、足がエンジンとなって体でクラブを振ったほうが安定性が高まるんです。

かつてのヒールアップ
左右の体重移動+左の壁で飛ばしていた

大きく左かかとを上げることでバックスウィングの回転を促すとともに、右足にしっかりと体重を乗せる。そこから左に大きく体重移動し、最後に左の壁を作ることでインパクトにかけてヘッドを走らせていく。パーシモンのクラブで上からつぶすような打ち方にマッチした(写真は1985年の中嶋常幸)

令和版ヒールアップ
左かかとの踏み込みにより回転力をアップ

大きなヒールアップを取り入れたデシャンボーの最新スウィング。大きく上げた左かかとを切り返しで一気に踏み込むことで、体の高速回転を促している

体の回転にブレーキをかけない

デシャンボーと同じくウルフもヒールアップ派だが、こちらはインパクト以降、左つま先が目標を向いていくタイプ。「回転を止める要素を一切作りたくないという意図が見て取れます」(安楽)

では、具体的にどのように足を動かせばいいのか
後編をチェック!

週刊ゴルフダイジェスト2022年4月12日号より