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【読者記者】No.1762「ドライバーのスライスが直らない。フェースが開いている気がするのですが…」

読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「ドライバーで球がつかまらない」というもの。果たして解決方法は?

PHOTO/Hiroshi Yatabe TEXT/Daisei Sugawara THANKS/小手指グリーンゴルフ

読者記者No.1762 井花佳彦さん

●44歳 ●会社役員 ●ゴルフ歴/8年 ●ベストスコア/102 ●平均スコア/110 ●165㎝・60㎏ ●ドライバー飛距離/190ヤード

先生/小暮博則

72年生まれ、埼玉県出身。12年、「スタック&チルト」理論の生みの親、M・ベネット、A・プラマーから直接指導を受け、日本人初の公認インストラクターとなる。PFGA主宰

井花さんのお悩み
「ドライバーで球がつかまらない」


ボールが右に出たり、スライスしたりすることが多いんですが、ドライバーだと特にそうなります。フェースが開いているような気がしますが、どうすれば閉じられるのかわからないんです。


インパクト直前で左サイドが浮き上がり、ヘッドが振り遅れた状態になっている。これだとフェースは開くので、ボールをつかまえるのは難しい

井花 フェースが開いて当たるのを、どうにかしたいんです。

小暮 井花さんの問題点は、テークバックで左手の「撓(とう)屈」(手首を親指側に折る動作)しか使えていないことです。撓屈しつつ、前腕を「回内」(内側に回す動作)させて上げていかないと、トップでクラブが適切な角度にならないので、フェースを閉じて下ろすのが難しくなるんです。

井花 確かに、前腕を回すとクラブの角度が斜めになりますね。

小暮 トップがその角度に収まると、そこからずっとフェースを閉じながら下ろしていけるので、インパクトでスクエアに戻ります。回内動作が少ないと、シャフトが立って、フェースが閉じた状態で上がりますから、切り返しの後、逆にフェースを開きながら下ろす必要が出てきてしまうので、インパクトでも開くんです。

井花 なるほど。

小暮 右手は脱力、左腕はフォローで素早くひじをたたむことを意識するといいですよ。

<問題点>
ヘッドを真上に持ち上げている

左腕を内側に回す動き(回内)が弱く、手首を親指側に曲げる動き(撓屈)が強いので、ヘッドが真上に上がる

記者「腕をねじらずに上げています」
プロ「腕を回すのが自然な動きです」

フェースを閉じるには、ダウンスウィングで左前腕を外側に回す「回外」の動きが必要。そのための準備として、トップまでは逆に左前腕を「回内」させる。左腕を回内するほど、クラブが背中側に倒れ、クラブ位置がオンプレーンに近づく

Point 1
ひじをできるだけ体の近くに下ろす

切り返し直後に右ひじを体に引き付ける意識があると、クラブが軌道から外れにくくなる。ひじを伸ばすと、ひじが体から離れてしまう

Point 2
トップではグリップエンドをボールに向ける

トップではグリップエンドが概ねボールを指すのが、正しいクラブの角度の目安。ダウンスウィングでも、そのままの角度で下ろしたい

【右手の使い方】
右手は切り返しからずっと脱力して振る

右手は、切り返しでギュッとグリップを握り込んでしまうと、体の回転と腕の振りが連動せず、狙ったところにヘッドを戻せない。切り返しで脱力し、そのまま力を抜いて振ると、自然にクラブが正しい軌道を通ることがわかる

【左手の使い方】
ひじを支点に前腕を返す

トップから左腕は伸びたまま、前腕だけが外側に回る。インパクト後はひじをたたんで、腕全体を返す

Drill
できるだけ速くひじから先を振る

クラブを持たずに、左手をできるだけ速く体の左側に振る(写真)。左ひじをたたむタイミングや、前腕、あるいは腕全体をどう回すのかがわかる

<取材後記>
スウィングが立体的になった
腕の動きひとつとっても、「撓屈」と「回内」が合わさって、「3D」になっているというのがわかりました。あまり意識したことがないポイントだったので、本当に新鮮でした。

月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より