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【通勤GD】海老原清治&奥田靖己 もう一花のゴルフVol.18 落ちてから、を予想せよ。ゴルフダイジェストWEB

ゴルフでもうひと花咲かすため、海老原清治プロと奥田靖己プロは、日々観察している。2人が話をしているところに、“もうひと花世代”の須貝昇が登場。欧州ツアー、とくに英国リンクスの話に花が咲く。一見、雑談のような時間にも、上達のヒントはあるものです。今週の通勤GDは「もう一花のゴルフ」Vol.18

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

海老原清治
千葉生まれ。02年欧州シニアで3勝、賞金王。還暦すぎて飛距離を伸ばす超ベテラン
奥田靖己
大阪生まれ。93年日本OPなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂びを追求する

前回のお話し

須貝さんが優勝した
ロイヤルカウンティダウンGC

奥田 須貝さん、お久しぶりです。

須貝 セイちゃん、オクちゃん、いつも読んでいますよ。

海老原 須貝にそう言ってもらうと嬉しいね。

奥田 今日は特別ゲストとして、ぜひご参加ください。

須貝 半年ほど僕が後輩ですけど、ようやくセイちゃんと同じ67歳になりました。

奥田 須貝さんとエビさんが一緒のテーブルに座っておると、なんやイギリスのコースにおるような感じがしますな。

海老原 僕ね、須貝がロイヤルカウンティダウンで優勝(02年・全英シニアオープン)したとき、初日に須貝がいい順位にいたから、キャディに200ポンド渡して、ブックメーカーで須貝の券を買ってこいと言ったんです。

須貝 ブックメーカーのオッズ、僕も見ましたよ。確か、倍率は100倍くらいだったよね。

奥田 エビさん、それ取ったんですか!?

海老原 キャディが買い忘れて、ダメだったの。

奥田 200ポンドの100倍だったら、2万ポンドですよ。そのころ1ポンドはいくらだったんですか?

須貝 あのころ1ポンドは250円ぐらいだったかな。

奥田 えっ! ということは。

海老原 500万円。もう大変ですよ(笑)。

奥田 須貝さんが勝ったロイヤルカウンティダウンというゴルフ場はエビさんがすごく好きなコースですよね。

海老原 そう。あのとき初日、2日目をアーノルド・パーマーさんとまわって、10番のパー3で「はい、プレゼント」と言ってマーカーをもらったんです。

須貝 それはいいなあ。

海老原 そういう思い出もあるコースなんです。

須貝 あそこの18番はすごいよ。バンカーが16個だか18個(正確には18個)だかあるんです。

奥田 1ホールにですか!?

須貝 そう。それでティからは1個しか見えないの。その先に16、17個あるんです。

海老原 それも1畳ぐらいの大きさの(笑)。

奥田 あのときエビさんも上位でしたよね。

須貝 セイちゃんは、(髙橋)勝成くんと一緒に5位タイだったよね。なにしろベスト5に日本人が3人も入ったんだから!

海老原 14番のパー3覚えている?

須貝 打ち下ろしのパー3ね。

海老原 右側に花道があって、手前がバンカーで、そのバンカーを越えたら絶対にボールが止まらなくて、バンカーの右側の縁に落とすとグリーンに乗っていくんです。5Iか4Iで打つんだけど、うまくバンカーの右縁に落とせると「やったー!」という感じなんです。

奥田 それは、カット回転で打つとダメなんじゃないですか?

海老原 そうそう。

奥田 ちょっとフック系でいくと、乗るんや。

須貝 バンカーの右端にぶつけていくんだけど、気持ちフック系じゃないと乗らないんです。

「落ちてからの球も想像して打つことです」(奥田)ロイヤルカウンティダウンGC

どこに打ってもいい
コースはつまらない

奥田 落ちてからの転がりも予想して打たなあかんのですね。

須貝 転がりもそうだけど、落ちてから、どう跳ねるかも考えて攻めるんです。

奥田 えー、自分には遠い異国の話だと思ってる読者の皆さんも、コースを想像してみてください。そういうところからイメージって湧くから。こういうことが大事です。落ちてからを予想できるようになると、もうひと花咲かせられますわ。

海老原 僕はロイヤルカウンティダウンが好きですからね。ロイヤルドーノックの7番パー3もすごいとは思いますけどね。

奥田 あのコースはエエよ、と言うときって、どんな表現になるんですか?

海老原 そう言われると何と答えていいのかわからないな……。

奥田 たとえば「ワーッ」と思うのか、「ムーッ」と思うのか(笑)。

海老原 やっぱりティショットで、あそこへちゃんと打たないとダメだよと言ってくるコースだよな。どこに打ってもいいというコースはつまらない。

須貝 どこに打ってもいいというコースは、ちょっとね。そこに落とさないとフェアウェイにいかないと想像させるコースがやっぱりいい。

海老原 11番なんかは、正面が壁みたいになっていて、フェアウェイが見えない。その壁の向こうに打っていく。

須貝 クリークで右の土手ギリギリに打っていかないとフェアウェイに出ていかないホールだったね。その土手より右だとラフで止まっちゃうし。

奥田 ドライバーじゃダメなんですか?

海老原 ドライバーだと落ちるところが狭すぎてダメなんです。

奥田 やっぱり、クリークとかバッフィでライナーを打つんですね。

須貝 どっちにしても、球を上げないように、目線の高さで。

海老原 やっぱり目線は大事です。ショートアイアンでも、ウッドでも。

奥田 ホンマです。この話は、また次週じっくりしましょう。須

【花咲く一言】
“コース談議”は
イメージ力を養う場だ

画/伊藤方也
TEXT/Chiharu Kubota

週刊ゴルフダイジェストより

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