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【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.50 「全部垂れ流してごらん。」 ゴルフダイジェストWEB

「垂れ流しのアドレスはスピードに代わり、音も感触も変化する」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第五十話。

【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

ゴルフ芸人 高松志門
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
志門流一番弟子 奥田靖己
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。

前回のお話し

全部垂れ流す
間合いが大事や

奥田 ぼくらのプレーはプロの中でも、かなり早いと思いますけど、さらっと捨て球を打つだけやなくて、もちろんぐっと気を入れて打つときもある。そんな時は少し余計に時間をかけるけど、間違ってもルーティンなんかに時間はかけません。

高松 とんでもない方向に飛ばすものほど、ルーティンを一生懸命やるけど、ルーティンをやることと当たる、あたらんは関係ないからな。ボールをそこに置けば当たる話やし、その方向を見て構えたらその方向に行く話。そこで振ったらそこに飛ぶ話やから。

奥田 ぼくらの時間のかけ方と全く違いますわね。

高松 オレらが気に入った時に時間をかけるのは、構えに入った直後のわずかな間合い。「いっちょ、行ったろか」というときほど、当然かなり厳しい場所を狙うてるわけやから、ここに時間をかけんといかん。ダーツをやるときに狙いを定める、あれと同じような感じやね。

奥田 球がこう飛んで、こう止まるんやなぁと、頭の中でその絵を思うための間合いですね。一般の人は気が入るとスウィングチェックする間合いになってしまう。そやから気合が入って力むうえに、機械的なアドレスになるんです。

高松 そういう人は全部垂れ流すくらいの気持ちで構えんとな。鼻水からよだれから、しまいにはケツからも全部垂れ流す気で。

アマチュアの気合が入った機械的なアドレス

奥田 あくまで気分の話ですけど、そのくらいまでせんと、立派なアドレスからはなかなか抜けきらへんですわね。

高松 構えた時にひじの裏にカジュアルウォーターができる人はなおさらやね。

奥田 カジュアルウォーターですか(笑)。たしかに力が入ったアドレスしとる人は、ヒジの裏に凹みができますもんね。でも、この垂れ流しのアドレスが、一番スピードに変換されるということは間違いない。カチカチのアドレスはスピードが出せないから、スウィングの大きさや力でかますしかなくなってしまう。

高松 立派なアドレスに比べると、当たった感触は頼りなく感じるかもしれんけど、確実にスピードは出てくる。そしたらインパクトの音も変わるしな。

奥田 インパクトの感触が頼りなくなることが、あかんことやと思うてる人が多いですけど、これは間違い。みな、力が入っとるから手ごたえがあるし、当たり損ないを感じてしまう。

高松 そういうものは一生「今野はスカ当たりや」のなんやの言うとらなあかん。そんなもん垂れ流しでやってごらん。どこに当たっても一緒に感じ。ええもあかんもなくなるから。

奥田 ラフからでもスピードで打つと芝の切れ味がまったく違ってきますしね。どこでインパクトしたのかわからん暗い全体的にきれいに芝が切れる。

高松 力で打つと芝は切れずにむしれるから、芝の下に隠れとった丸虫が鼻にポンと入るくらい土ごと飛び散ってまうわ。今度、アマチュアのショットを真似したそういうおもろいビデオでも撮りたいわ。オレが打った後、鼻のアップになってそこに丸虫が入っとんねん。

奥田 先生、それはやめてください。僕らそこまでは一緒について行かれませんから。

月刊GDより

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