【待ってろ、ウエハラ!】Vol.17 ホール図を見るときにチェックすべきポイントとは?
ラグビー元日本代表の大畑大介が、高校の同級生で元メジャーリーガーの上原浩治をゴルフで打ち負かすべく、精鋭コーチ陣に教えを請う本連載。今回も、前回に続き青木翔コーチが本気レッスン。一通りのレッスンを終え、大畑が青木コーチにお願いしたこととは?
ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW PHOTO/ARAKISHIN THANKS/六甲国際パブリックコース
スポーツ選手の本分は、本番で結果を残すこと。練習を一生懸命やるのはもちろんだけど、いかに本番でMAXの力を出し切るかが重要になってくる。
本番を想定して練習するというか、練習をやっている意識がないくらいのマインドでやれたら最高やと思う。オレなんて練習以外の普段の生活でも、勝負ごとは常に勝つつもりでいたから、言ってしまえば24時間全部が本番みたいな感じ。
もちろん今回のゴルフ対決も、やるからにはこの気持ちで臨んでる。レッスンでは毎回、「飲み込みがとんでもなく早い」って言われるけど、それはたとえ練習であってもこの1打に懸けるというくらい真剣にやっとったから。
でも、やっぱり本番さながらの状況も経験しておきたい。ということで、心の師匠・青木コーチにラウンドレッスンを直訴や! 対決までに、本番力を高めていったる。待ってろ上原!
本番を前にしたラウンドレッスン
パッティングのレッスンを終えた大畑だったが、青木コーチになにやら追加の“お願い”があるという。
大畑 基礎から実戦的なことまで教えてもらったけど、最後にやらなきゃいけないことが残ってる気がするのよ。
青木 なんでしょう?
大畑 教わったことが本番でできるのか確認しないと、本当に身についたとは言えないと思うんですよね。
青木 あ、気づいちゃいました? さすがトップアスリート。実は、あまりにも順調に吸収していくので、こちらも調子に乗ってちょっと教えすぎちゃったんじゃないかと心配してました。
大畑 天才的ですみません! そんなわけで、日を改めてラウンドレッスンをお願いできないかな。
青木 もちろんOKです。レッスン内容をちゃんと復習してきてくださいね。
時は流れ、約束のラウンドレッスンの日。大畑氏はこれまで教わった内容をきちんと身に付けられているのだろうか。
青木 あれから1カ月、練習してました?
大畑 バッチリですよ! 練習行って、毎週ゴルフ中継も観ているもんだから、子どもが「私もゴルフやりたい」って言い出すくらい。
青木 いいですね! しっかりチェックさせてもらいます。
大畑 え? コーチは一緒に回らんの? バシッていうドライバーショットとか、ドーンと高い球で止めるアプローチとか見たいのになぁ。
青木 むちゃくちゃハードル上げるのやめてもらっていいですか……。やりづらいけど、一緒に回りましょう!
大畑 さすが、世界の青木コーチ。ところで、スタート前にやっておくことってなんかある?
青木 以前、小澤美奈瀬コーチに習っていた左足の片足素振りとか、手首を柔らかく使えるような体操は入念にやっておいたほうがいいですね。それとスタートホールに限らず、ホール図のチェックは欠かせません。
大畑 狙ったところに毎回ちゃんと打てるレベルじゃなくても必要? というか、どこを見たらいいかイマイチわからんのよ。
青木 狙ったところに打てない人ほど、チェックしてほしいんです。どこに打つというよりは、打ってはいけない場所を決めるのが大事。例えばここはドライバーの落とし所の右側がOBになっています。だからそこだけは避ける構えや番手選びをする必要があります。
ドライバー二刀流を提案
大畑 いきなり超実戦的なアドバイスやね。でも、オレは1ヤードでも前に行きたいから、ドライバーを持たないっていう選択肢はないんやけど。
青木 そのスタンスを変える必要はありません。ドライバーを2本入れるという選択肢もありますよ。
大畑 そんなことしてええの?
青木 ルール上は問題ありません。体が動き始めるまでは軟らかく短めのシャフト、振れるようになったら硬く長めのシャフトみたいな2本を用意してもいいかもしれません。大畑さんのようにドライバーでリズムを作る人なら、アリです。
大畑 宮本武蔵みたいな二刀流。ええやん! 師匠、じゃあさっそく打ってもらおうかな。
青木 僕から? 順番が逆な気が……。
大畑のリクエストにより、なぜかティーショットは青木コーチから。すると周囲がザワザワ……。この理由は次回!
【オオハタ’s MEMO】
ホール図を見るときは
“打ってはいけない場所”を確認する
令和の武蔵になる!
オオハタダイスケ
大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ゴルフのベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語するスーパーメンタル&フィジカルでゴルフ修行へ
迎え撃つは
ウエハラコウジ
上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。同窓生・大畑の挑戦を待つ
週刊ゴルフダイジェスト2021年11月16日号より