TEXT／Kenji Oba　PHOTO／Yasuo Masuda
THANKS／ゴルフスタジオ・ゴーガ

前編では「シャットフェース」が合う人と合わない人の簡単な見分け方を教えてもらった。では、シャットフェースが合わない人が、しっかりとインパクトで球をつかまえるためにはどうすればいいのか。そのカギはテークバックの上げ方にあると大本研太郎は言うのだが……。

>>前編「シャットが合う人・合わない人の
見極め方」はこちら

「閉じたら開く」
「開いたら閉じる」を利用しよう

「アマチュアには、シャットフェースが向かない人が多いんです」と大本プロ。その主な理由は手打ちや手上げだという。

「手打ちや手上げの人は手が力みやすく、左手が掌屈ではなく、背屈（甲側に折れる）しやすいのです。ですからフェースを閉じる動きも苦手なのです」

そういう人はシャットフェースではなく、あえてフェースの開閉を使うのがおすすめ、と大本プロはいうが、コツはあるのだろうか?　基本動作は前項で紹介した、スタンスを閉じたまま「フェースを開いて閉じる」動き。そして次の段階が「閉じる→開く→閉じる」を意識する動きになる。

「そもそもフェースは開くか閉じるかしかありません。フェースは開けば閉じ、閉じれば開くのです。手上げ、手打ちのアマチュアはテークバックがインサイド、つまり開いて上がります。するとトップの切り返しで閉じ、開いてインパクトを迎えます。スライスの原因がまさにコレ。ならば順番を変えましょう。フェースを閉じながら上げ、切り返しで開き、インパクトで閉じればいいんです」

閉じて上げれば自然と開いて、また閉じる

閉じたものは開き、開いたものは閉じる。インパクトでフェースが開くのは、フェースを開いて上げることに原因がある（開く＞閉じる＞開く）。フェースを閉じて上げることで、切り返しで開き、インパクトで自然と閉じる流れが実現できる

理屈はわかるが、具体的にどうすればいいのか?

「左手ではなく、右手を使います。アマチュアは左手リードより右手重視のほうがクラブを扱いやすいはずです。そして手首ではなく、前腕のひねり（回内・回外）を意識します。右手の薬指を中心に回転させるイメージ。この回外と回内でフェースをコントロールするのです」

回内はフェースが閉じる動き、そして回外はフェースが開く動きになる。テークバックでフェースが開いてしまうアマチュアは、閉じて上げるために、薬指を中心に右前腕を回内させればいいわけだ。回内で上がったフェースをトップからの切り返しで今度は開く。ここでは右手を回外させる。そして最後にインパクトに向け、右前腕を回内させ、フェースを閉じていくという流れだ。

「実はフェースの開閉を使うとスウィング軌道もコントロールできるんです。回内＝閉じる＝アウトサイドに動く（テークバック）、回外＝開く＝インサイドに動く（ダウンスウィング）。つまりクラブがアウトサイドに上がれば、インサイドに下りてくるわけです。インサイドから振り下ろせれば、入射角は緩やかになります。低く長いインパクトになり、球が強く押せる、飛んで曲がらない強い球が打てる、ということにつながるのです」

大切なのはテークバックの動きなのだ。シャットフェースは最新のスウィング理論だが、誰もがマネできるものではない。向かない人は、「『閉じる＞開く＞閉じる』スウィングをマスターしてほしい」と大本プロは締めくくった。

Step 1
フェースを閉じたまま上げる

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Step 2
トップでフェースを開く

Step 3
フェースを閉じながら打つ

「手上げ」と「軸の傾き」に注意

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週刊ゴルフダイジェスト2021年8月24・31日合併号より