【この振りがスゴい!】Vol.6 小さな体で300Y! 飛びの秘密は頭と左腰の動きにあった
PHOTO/Tadashi Anezaki、KJR
東京五輪で金メダルを獲得したザンダー・シャウフェレ。身長178cmとPGAツアーの中では小柄ながら、平均300ヤード超の飛距離を生み出す秘密を、松山英樹のコーチを務める目澤秀憲氏に解説してもらった。
解説/目澤秀憲
めざわひでのり。松山英樹をマスターズ優勝に導いたコーチ。有村智恵や河本結などのトッププロも教える
下半身は大きく動き
上半身はその場に残る
ザンダーは、静かに振っているように見えますが、実際は大きな体重移動を使って飛ばしています。そして、そのための体の“使い方”がとても上手なんです。筋力で飛ばすわけではないので、アマチュアの方にとても参考になるスウィングといえます。
注目すべきは、トップからダウンスウィングにかけての動き。トップで右足に8割程度体重を乗せた状態から、切り返しで左足を踏み込みます。それと同時に左に体重が8割乗るように左の骨盤を飛球線方向に動かしていきます。対して頭は沈み込むように動き、結果として下半身は飛球線方向、上半身はその場に残る形になります。すると、トップでできた捻転がダウンスウィングでさらに深くなり、パワーが溜められるんです。それをインパクトで一気に解放することで飛距離を生むわけです。
大事なのは、骨盤“だけ”を左に動かす体重移動。その体重移動をするための下半身と頭の動かし方。これができるからこそ、小さくても300ヤードオーバーの飛距離が出せるんです。
切り返しで頭が沈み込む
切り返しで骨盤が大きく飛球線方向に動いているが、頭は左に流れず沈み込んでいる。これによってさらに捻転が強くなり、しっかりとパワーが溜められる
クラブをインから下ろしやすい
体勢を作っている
下半身と上半身が別の方向に動くことで、体の右サイドにクラブの通り道が生まれ、クラブをインサイドから下ろしやすくなる
月刊ゴルフダイジェスト2021年10月号より