元フェアリージャパン坪井保菜美さんをツイスト打法の武市悦宏がレッスン! プラス20ヤードを達成できたか?(前編)
飛ばしのコツをモノにしたい。そんな日本中のゴルファーの願いを代表して元オリンピック代表「フェアリージャパン」新体操の坪井保菜美さんが飛距離アップに挑戦。坪井さんに飛ばしを伝授するのはツイスト打法の武市悦宏プロ。アスリート魂に火がついた坪井さん、予想を大きく超える結果を見せた!
教える人/武市悦宏
1976年生まれ。岐阜県出身。週刊GDでお馴染み、飛ばしの雑巾王子。独自の「ツイスト打法」を世に広め、2013年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。東京の「広尾ゴルフインパクト」でもレッスン中
教わる人/坪井保菜美さん
1989年生まれ。岐阜県出身。2008年、北京オリンピックで新体操「フェアリージャパン」として活躍。現在は都内の祐天寺で新体操スクール「シルク」、笹塚でヨガスクール「T’s Fit」を展開。ゴルフは本格的に取り組んだ時期があり、今回、飛距離アップに挑戦
スライスはアドレスの手の位置が原因だった
武市 飛距離アップのレッスンならお任せください!! なにせ、かつて1年で飛距離を100ヤード伸ばしたオトコですから。
坪井 頼もしいですね。さっそく、私のスウィングを見てください。ボールがつかまらなくて、右にスライスしちゃうのが悩みなんです。
武市 なるほど。その原因はスウィングよりも、アドレスにアリだね。保菜美ちゃんはアドレスで手元が少し中に入る癖がある。その状態でフェースを目標に対してスクエアにセットするから、インパクトでフェースが開いて当たっちゃうんだよ。
坪井 エッ、そうなんですか。
武市 なので、手元を左ももの前に出した状態でフェースをスクエアにセットする。そこから手元をいつもの位置に戻すと、ほら、インパクトでフェースは開きませんよ。
【修正ポイント】スライスしにくいアドレスを覚える
「坪井さんは、スウィング自体は悪くないのに、打ち出しからボールが右に飛び出してスライスするミスが多い。これはインパクトでフェースが開いて当たるのが原因。アドレスするときはインパクトの形を作ってからフェースをスクエアにセットします」(武市)
フェースをスクエアにして構えると
インパクトでフェースが開いちゃいます
そこで↓
この手の位置でフェースをスクエアにして
グリップを戻せばスライスしないアドレス完成です
坪井さんのレッスン前のスウィング
足の使い方を覚えて手打ちを卒業!
坪井 アドレスを直したら、ボールがつかまるようになって少し飛ぶようになったような気が……。でも、もっともっと飛ばしたいです! !
武市 その貪欲な姿勢は、さすがアスリートだね。保菜美ちゃんは、スウィングはとても美しいけど、実は重心が高くて、手打ちになっています。だから、飛距離が出ないんです。
坪井 ゴルフは下半身で振れと、よく言いますよね。でも、その感覚がイマイチ、わからないんですよ……。
武市 だったら、トレーニング用のメディシンボールを投げてみるといいよ。
坪井 新体操のボールと違って、かなり重いですね。
武市 重いものを右から左へ、遠くへ投げようとしたら、自然と地面に足を強く踏み込んで投げるでしょう。ゴルフのスウィングも、こうやって足を使って振るんです。体の回転スピードが上がて、ボールに体重も乗るから、確実に飛距離アップしますよ。
【修正ポイント①】足の踏み込みを強くする
「メディシンボールのような重いものは、手や腕の力だけでは遠くへ投げることができません。自然と足で地面を踏み込み、体全体を使って投げようとするはず。素振り練習用の重いクラブや野球のバットなどを振るのも、手打ちの矯正に効果的ですね」(武市)
【修正ポイント②】ボールに近づいて構える
「アドレスで手元が少し体から離れすぎているのも、飛距離が出ない原因のひとつ。重いものを持ち上げるとき、肩の真下に手元があったほうが力は入りやすいですよね。ゴルフのアドレスも手元は肩の真下がベスト」
坪井 レッスン前と比べて、スウィングスピードがアップして、ボールにパワーも乗るようになった感覚があります。では、武市コーチ、次のレッスンをお願いします!!
武市 ヨッシャ、僕も気分がノッてきましたよ。新体操で使うリボンを用意したから、それを振ってみようか。
坪井 こんな感じですか?
武市 さすが、元フェアリージャパン。綺麗に回るねぇ。
坪井 これが何かスウィングと関係があるんですか?
武市 手首や腕に力を入れてガッチリ固めちゃったら、リボンを綺麗に回せないよね。
坪井 リボンの先まで力が伝わらないですね。
腕に力を入れず、しなやかに使う
武市 ゴルフのスウィングもそれと一緒。シャフトがグニャグニャにやわらかい素振り用の練習器具を振ってみましょう。腕をしなやかに使えるよう脱力しないと、速く振れないことがわかりますよ。
【修正ポイント】手首と腕をやわらかく使う
「シャフトがグニャグニャの素振り用練習器具を、頭の上で右回りにグルグル回してから振ります。手首と腕をやわらかく使わないと、頭上でグルグルと勢いよく回せないはず。坪井さんはすぐにコツをつかみ、速く振れるようになりました。さすがです」(武市)
TEXT/Toshiyuki Funayama
PHOTO/Yasuo Masuda