【ゴルフの急所】Vol.5「パット練習は“ダラダラ1時間”より“真剣に5分”」
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC
30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。
寺西プロはトップアマからプロになりましたが、どんな意識の変化がありましたか? 一番取り組んだ練習も知りたいです。(福岡県・武田修宏さん・49歳)
パッティング練習
“真剣に”やっていますか?
プロになって何か意識が変わったかというと、アマチュアで競技ゴルフをしていたときとそんなに変わっていないと思いますね。競技ゴルフでも一打の重みを感じてプレーをしていましたから。ただ、プロはその一打に賞金がかかってきます。300ヤードをドライバーで飛ばせたとしても、パッティングが入らなければスコアになりません。なので、パッティングの練習は“真剣に”行っています。
実はこの“真剣に”ということがポイントです。アマチュアの方にどんなパッティング練習をしていますか? と聞くと「パターマットを使って1時間くらい時間をかけて、部屋で転がしています」と答える人もいるのですが、パッティングは毎日、5分でも10分でもいいから一回一回仕切り直して“真剣に”集中して練習をすべきです。カップに入る速度とか距離感、転がり方などを見極めながら練習をする。入れるという執着心を持ってストロークします。実際にこの練習をすると、たった5分でも疲れるなと感じるはずです。全集中しているうえ小さなバックスウィングで打たなくてはいけないため、その動きを支える筋力が必要だからです。
ボクがパッティングで大切にしているのはショットと同じで、体の動きを止めないことに尽きます。写真では、ストロークをスタートする前に体が静止しているように見えますが、実際はそうではありません。目には見えませんが一回小さく左足に体重をかけるフォワードプレスをしてから、シューズの中で足踏みをするように小さく体重移動をしています。パッティングは下半身を固定して、土台を安定させるのがセオリーだという人もいますが、はっきり言って間違いだと思います。下半身をガッチリ固めてしまうと、手先で打つしかなくなるからです。手は繊細で器用に動かせる反面、ストロークが不安定になります。ショット同様、丹田周辺の腹圧をゆるめなければ前傾姿勢をキープできるので、ストロークが安定します。
パターでも「見えない
体重移動」を使っている
<寺西流ワンポイント>
ラインによってボール位置を変えています
月刊ゴルフダイジェスト2021年7月号より