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ピタッと止まるアプローチの極意。鍵は「閉じてテークバック、開いてインパクト」【後編】

アプローチの基本は「ピッチ&ラン」だ。いわゆる“転がし”と呼ばれるものだが、そのワザだけではスコアメイクは難しいと吉田一尊プロは語る。そこで覚えてほしいのが「ピッチショット」=すくうアプローチだ。ボールをすくうとは、どういう動きなのか? そのメリットとは? 前編に引き続き教えてもらおう。

PPHOTO/Yasuo Masuda THANKS/東名CC

解説/吉田一尊プロ
1977年生まれ、大阪府出身。アメリカにゴルフ留学後、JGTOのツアープロとなり、チャレンジツアーに参戦。2004年よりレッスン活動を開始。YouTubeチャンネル「吉田一尊ゴルフのコツ!」では飛ばしの技術から精度の高い寄せワザまで幅広い動画をアップ中。レッスンも受け付けているぞ。

>>前編はこちら

アプローチは
最初の動きだしがカギ

ここからは、すくうアプローチのコツを教えてもらおう。

「まずはセットアップとテークバックです。ここが理解できれば、大ミスは回避できます。アドレスでは、左肩を下げる意識を持ってください。これが最大のポイントです。すくうアプローチは、ウェッジのソールを滑らせながら当てる打ち方になりますが、唯一の弱点がトップが出やすいことです。

それを防ぐために左肩を下げて構えます。これでトップのミスはかなり抑えられるはずです。

そしてテークバックでは、フェースは開かず、シャット(閉じた状態)に上げます。イメージとしては、ターゲットに対してヘッドを真っすぐ引く感じです。


フェースがずっとボールを向いていればOKです。シャットに上げるテークバックは、ピッチ&ランも同じなので覚えておいて損はありません。とくにウェッジを使うアプローチでは意識してほしいですね。

その理由は、ウェッジはロフトが寝ているため、ヘッドの重心がかなり右にあります。つまり開きやすいのです。インサイドに上がった時点でフェースは“どん開き”です。十分注意しましょう」

Point1 アドレス
ピッチショット
右肩を下げて構える

「すくうアプローチはヘッドを前に出していく(ヘッドファースト)打ち方になるため、トップが出やすいです。右肩が下がれば余計にトップしますからセットアップの段階で左肩を下げて構えるようにします」

セットアップは肩のラインが重要

「アプローチはヘッドスピードが遅いため、セットアップが重要です。なかでも肩のラインを意識しましょう。アプローチは下半身より上半身の動きがメインに考えましょう」

ピッチ&ラン
ハンドファーストに構える

「ボールはやや右寄りにセットし、ハンドファーストに構えます。ピッチ&ランはリリースせず、ロフトを立てたままインパクトするイメージです。一方、すくうアプローチは積極的にリリースする感じです」

Point2 テークバック
フェースは開かずシャットに上げる

〇 ターゲットに対して真っすぐ引く
✖ インサイドに引くとあらゆるミスが出る

「テークバックで大事なことは、ターゲットに対して真っすぐ引くことです。この意識を持つだけでフェースの開きはかなり抑えられます。一番やってはダメなのがヘッドウをインに引くこと。こうなるとフェースは“どん開き”になり、トップ、ダフリ、シャンクなどあらゆるミスが出ます」

フェースの使い方で
球の強さが変わる

「インパクトからフォローの動きで、飛ばすアプローチになるか、飛ばさないアプローチになるかが決まります」

吉田プロはこう語るが、ピッチショットとピッチ&ランではどんな違いがあるのか?

「まずはインパクトです。テークバックはどちらも同じですからフェースを閉じて上げます。そして、すくうアプローチは、閉じたフェースを開いてインパクトします。フェースを開けばロフトは寝ますから、ボールが飛ばないのです。一方、ピッチ&ランは、閉じたフェースをさらに閉じます。つまりロフトを立てていくからボールが飛ぶわけです。このインパクトの違いを理解しましょう」

インパクトは真逆の動きともいえるが、フォローにも大きな違いが表れると吉田プロ。

「すくうアプローチは、手首のヒンジ(掌屈&背屈)を使ってリリースします。つまり右手が掌屈、左手が背屈することです。その結果がフォローに表れます。フェース面が自分に向けば、すくう動きは合格です」 吉田プロのピッチショットを見ると、確かにフェースが自分の方向に向いている。

「すくうアプローチはフェースを閉じて開く。これこそが地面のボールを拾う動きです。ボールを拾えるからスピンもかけられるんです」

「テークバックは、ピッチショットもピッチ&ランも同じでシャットに上げます。その目安はヘッドの重心がシャフト軸線上にあること。フェースはややクローズ気味でちょうどいいです」

Point3 インパクト
手首のヒンジを使い
ロフトを寝かせてボールを拾う

「すくうアプローチは積極的にリリースしますが、このリリースは手首のヒンジで行います。手首の掌屈&背屈を入れ替えるイメージ。これならフェースターンなしにロフトだけを寝かせられます」

Point4 フォロー
フェース面を自分に向ける

「すくうアプローチのフォローはシャフトが左傾斜します。こうなればフェース面も自分に向きます。シャフトが右傾斜するのはフェースターン(手首を返す)させるショットですからアプローチには不向きです」

スプーンで
すくうように右回転

最後はすくうアプローチを習得するためのドリルで締めよう。

「すくうアプローチをマスターするには、フィニッシュでクラブを右回しに振るのがおすすめです。左に振ったクラブを自分に引き寄せるように戻してくるイメージです。下から上に振りつつ、右回しができれば、すくう動きも見えてくるはずです。

すくうアプローチは、アマチュアが苦手な花道でも有効なテクニック。ソールから滑らせる打ち方なのでダフリが防げるからです。きっとスコアを縮める武器になりますよ」

Drill1 
フィニッシュでクラブを右回し

「フィニッシュまで来たらクラブを右回転。この動きはタイガーが大きなスライスを打つときと同じです。フェース面でボールの下をこするように振るから激スピンがかかるんです」

Drill2 
地面のボールをフェースで拾う

「やればわかりますが、地面のボールを拾うとき、フェースは閉じながら開いて使うはずです。クルッと回してボールをフェース面に乗せる。この感覚を身につけましょう」


週刊ゴルフダイジェスト2026年7月21日号より