Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【イザワの法則】Vol.54 アプローチの距離感を養うには“基準となる振り幅”を持つこと

【イザワの法則】Vol.54 アプローチの距離感を養うには“基準となる振り幅”を持つこと

プロのアプローチは「スピン」のイメージが強いが、実際は状況に応じてスピンの量を変え、かなりの距離を転がす場面も多い。その判断の基準は何か。また、スピンを強くかけるポイントとは?

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

>>前回のお話はこちら

  • 25年シーズンの伊澤プロは、トップ10が1回だけで、体調不良での途中棄権や腰痛による出場辞退などもあり、不本意な内容だった。伊澤プロ自身は、昨年をどう分析するのか。また、今シーズンをどう展望しているのか? TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM) ……

距離感とは
本来誰もが持っているもの

アプローチで「距離感の出し方がわからない」という方が多いですが、他の人がアプローチしているところを見ていると、距離に対して「振り幅が大きいな」とか、思う瞬間はないでしょうか。その感覚こそが実は距離感の「正体」のようなもので、距離感というのは、もともと誰にでも備わっている感覚だという証拠ではないでしょうか。

その、自分の中の距離感を発動させるには、まず基準となるひとつの振り幅を持つことが大事です。たとえば、キャリーで40ヤード打ちたいと思ったら、ざっくり「腰から腰」の振り幅になりますが、これを基準としてもいいでしょう。この振り幅で、ヘッドの入れ方を変えたり、少しボール位置を変えたりすると、キャリーとランのバランスや、スピンの入り方が変わります。ピンの位置によって、そのバリエーションを使い分けるということですね。


ピンが奥の場合は、強いスピンを入れる必要はありませんから、大体15ヤードくらいキャリーさせて、残りを転がすような球筋をイメージするとぴったり寄せられます。逆に、エッジからピンまでが近くてどうしてもスピンが必要な場合は、フェースを開きますが、そうすると飛ばなくなるので、その分、強く振ります。40ヤードでも45ヤードの振り幅で打つイメージです。

難しい状況ほど
基本の技術の確かさと
「経験値」が必要

スピンをかけるには、フェースを開いて強めに振るのが簡単ですが、練習と同じ距離感、スピンの入り方で打てるのは、フェアウェイからのアプローチに限られます。ラフからの場合は、ボールの沈み具合や芝の密集度合い、芝目の向きなどでかなり結果が変わってきますので、ここは経験値が必要なところではあります。また、いくら経験があっても、深いラフ、左足下がりで、しかもグリーンは下りでピンが手前というような絶体絶命の状況だと、正解の打ち方を一発で導き出すというのはなかなか難しいです。だから、試合で一緒に回った人が難しい状況になってしまったときは、「どうやって打つんだろう?」と興味津々で見てしまいます。

個人的に一番難しいと思うライは、ディボット跡に砂が入っていて、その上にボールが止まっている状況ですね。同じディボット跡なら、砂がないほうがはるかにマシです。状況でいうと、やっぱりグリーン奥に外したときが難しい。大抵、逆目になるので、ワンクッションさせたとしてもゴロゴロ転がってしまうことが多いですし、日本のコースはエッジから離れるほど左足下がりが強くなる傾向があるので、さらに止まりにくなります。

エッジから1メートルくらいなら何とかなりますが、4〜5メートル離れてしまうとかなり厳しいことが多いです。例外的に、たとえば太平洋御殿場(太平洋クラブ御殿場コース)の4番・パー3などは、奥に外したとしても、そこからはグリーンが受けているので、ピンが奥のときでも思い切って突っ込んでいけます。ただ、そういうホールは日本には少ないのが現実ではありますが。

自分の“基準作りからスタート!

スピン量を増やす方法は主に、①フ
ェースを開く、②ボールを左足寄りに
する、③入射角を鋭角にする、の3つ。いずれも「スピンロフト」(インパクトロフトと入射角の差。大きいほどスピンがかかる)の増大が狙い。①は振り幅アップとセットで使う

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2026年5月号より