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【人気連載アーカイブ】イザワの法則2015「スウィングを変えるよりグリップとアドレスを変えたほうがいい」

世界も認めた美スウィンガー・伊澤利光が、ゴルフで大切にしていることを語る連載「イザワの法則」。今回のお話は、前回に引き続き伊澤がアマチュアを教える中で感じていることについて。

前回のお話はこちら

注目するのは
グリップ、アドレス、テークバック

GD 伊澤プロが、スクールに来たアマチュアに、必ず教えることは何ですか?

伊澤 やっぱり最初はグリップを見ますね。それと、アドレスのバランス。あとは、テークバックの軌道と大きさ。せいぜい、その3つくらいでしょうね。

GD やはり、最初から「あれもこれも」とやるよりも、シンプルなところから始めるということでしょうか。

伊澤 グリップとかアドレスとか、そういう基本的なところに問題がある人って多いですから。アドレスは、その人の体型とか、年齢、体力に「見合った」構え方じゃないと、結局、自然なスウィングにならないんですよね。それと番手なりの構えができているかどうかっていうのも、かなり重要です。


GD シンプルなポイントをシンプルに絞るというより、そこが最重要だから最初に教えると。

伊澤 ま、そういうことです。

GD テークバックのポイントというのは?

伊澤 時々、ものすごくフェースを開いてあげていく人がいるので、それは直します。シャフトが地面と平行になるくらいのところで、少しだけフェースが地面の方を向くように上げると、それだけでボールのつかまりが変わってきますから。あとはあまり手を高く持ち上げないように教えます。後ろから見て、手が右肩と重なるくらいまで上げれば十分ですね。

GD スウィングをどうするとか、具体的な指導はかなり先の話、という感じですか。

伊澤 スウィングにすごく致命的な問題があれば、それはなるべく早めに取り組んでもらいますよ。例えば……腰が回っていない人とか。

GD テークバックを手で上げるということですか。

伊澤 いえ、これはダウンスウィングの話ですね。「インパクトはアドレスの再現」って言葉があるじゃないですか。もしかしたら、あれの悪影響なのかもしれないですけど、腰が正面を向いた状態でインパクトする人がすごく多いんです。割合で言うと、8割方は腰を回さないで打ってるんじゃないかな。

GD プロのインパクトは腰がほぼ目標方向に向くくらい先行して回転していますからね。つまり、アドレスとは形が全然違う。

伊澤 ええ。そこを勘違いしている人が多いです。

GD 腰を回さずに打つ弊害はどういったことですか。

伊澤 やっぱり、フェースは開いて当たりやすくなりますよね。腰を回してない人は、腕も振れていませんから。腰が回っていない人に、頑張って腰を回して打ってもらうと、同じフェースが開いて当たるのでも、今度は「振り遅れ」状態になります。そうなったら、次に手を一生懸命振ってもらう。そうすると、何発かに1回は、きちんとフェースが閉じて当たるようになります。フェースが閉じて当たると、自分でも「あ、いまのは感覚が違うな」というのが分かるんですよね。その球がつかまった感覚を頭と体に蓄積するのが大事なんです。

Point 1
ゆるゆるも「度」が過ぎるとよくない

力が入りすぎているよりは「ゆるゆる」のほうがいいが、トップでグリップから手が離れるほど「ゆるゆる」では、コントロールできなくなる。指の間隔を詰めて、クラブが落ちないギリギリの強さで握る。

Point 2
腰を回して腕を振り抜く

切り返しで腰を回し始めたら、そのままずっと腰を回し続けるイメージを持つ。それに遅れないように腕を振っていくと、フィニッシュまで振り抜ける。

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位(当時)の4位入賞。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2015年7月号より