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【向心力で飛ばそう】<後編>「体は開いてもいい。出力が上がります」

常に最新のスウィング理論を研究し、情報をアップデートしている永井延宏コーチが、近年注目しているスウィングがある。世界で活躍するトッププロ、若手注目プロは、皆この動きだと言う。前回に続き、「向心力」について解説してもらった。

PHOTO/Yasuo Masuda、Yoshihiro Iwamoto、Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Getty images

解説/永井延宏

ながい・のぶひろ。69年生まれ。94年渡米、ミニツアーを回りながら最先端のティーチング理論を学ぶ。帰国後多くのプロ・アマを指導。06年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。現在もレッスンをしながら、国内外のスウィングと最新理論を観察・研究し続ける

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「体は開いてもいい。
出力が上がります」

さて、向心力を体感できたところで、昨年の日本ツアー賞金王・金子駆大のスウィングを見てみよう。「こういう若手が出てくるとは衝撃的です」と永井コーチ。

「今のクラブを気持ちよく振っているとこうなるんだと思います。金子選手のスウィングを“向心力目線”で見てもらうと、スウィングのトレンドが理解できます」

テークバックの顔の動きに目がいく個性的なスウィングだが、実は「向心力メイン」のスウィング。曲がらない、抜群の安定感でスルスルと頂点まで上った。


「LPGAツアーで活躍する山下美夢有選手や西村優菜選手も、体が小さくても、ショットのコントロール能力は抜群。若手でいうと24年の日本アマを制した松山茉生選手も向心力メインでしたけど、今、調子が悪いように見えるのは、遠心力メインのスウィングとごっちゃになっているからかもしれません」

この動きは、世界的スター、ドジャースの大谷翔平も取り入れていると永井コーチ。

「大谷選手も向心力の使い方が上手い。ゾーンが長いスウィングになっていますから、まさに効率的に飛ばせるのです」

それにしても……金子のスウィングには我々が習ってきた「左の壁」は見あたらない。永井コーチは「体は開いてもいいんです!」と言い切る。

「体を止めて(左の壁を作って)正面で打つようなスウィングではない。それをしようとするから、手を返すなどの何か工夫やコツが必要になるんです。クラブの遠心力は人間に対して働きますが、結局人間は柱みたいに固定できない。だから“技術”が必要になる。クラブさばきだけで頑張っている人も、ぜひ向心力を取り入れてほしいです。覚えてしまえば、スウィング中、クラブは勝手に上手く動いてくれるので、リリースやフォローのプレーンなど細かい動きは考えなくてよくなります」

体を使うということで、体力が必要のように感じるが、軸を中心とした円運動のスウィングだと体が仕事をしないので、使えるエネルギー量が確実に違うという。

「シニアの方でも、体を止めて回転して打つような練習ばかりするとどんどん飛ばなくなってゴルフが嫌になってしまいます。自分の体が動く範囲でいい、左サイドを使って振ってほしい。体の出力が上がりますから、体力に関係なく効率よく飛ばせるのです」

我々アマチュアゴルファーは、「スウィングは体を軸にしての円運動」「インパクトはアドレスの再現」といったような“かつての教え”をまずは捨てることが大事なのかもしれない。

シーズンインに向けて、向心力メインのスウィングをみっちり練習し、一皮むけたスウィングで仲間を驚かせようではないか。

Point 1
右薬指を直角に握る

右の薬指をシャフトに対して直角に握る。「左手で向心力を感じながら、右手薬指で遠心力に乗せていく。この関係性のイメージで、きちんとスクエアに当たります」

Point 2
竹ぼうきを上手く振れるか

石川遼も取り入れる「竹ぼうき素振り」。「長いものを振るときは、振り遅れになりやすい。遠心力だけで考えるのではなく、向心力を使わないと上手く振れません」

Point 3
横隔膜プレーンを意識する

お腹が左右に動くことが大事。両手にノートを持って動かす体操をしよう。「お腹の力を使って回す。水平なプレーンではなく、左右とも斜めに動かす。このときも体は開いて構いません」

週刊ゴルフダイジェスト2026年2月17日号より