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【森守洋の適当力】<前編>堀琴音ら3人が復活。「ひざが汚い」と言われるコーチが教える上達の真実

KEYWORD 森守洋

昨年堀琴音、柏原明日架、菅沼菜々という3人の女子プロを復活優勝に導き「再生工場」とも評される森守洋コーチ。周囲の人間は「森さんは適当」と口をそろえるがその「適当さ」にこそ上達の真実があるのではないか。人間・森守洋を観察しつつ、その真相を探った。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Getty Images ILLUST/Hideki Kamekawa

森守洋

1977年生まれ。静岡県出身。高校でゴルフを始め卒業後に渡米。帰国後は研修生となり故・陳清波プロに師事しつつ指導者を志す。2010年、東京・三鷹市に「東京ゴルフスタジオ」を開設

「考えすぎない」のであって
「考えない」わけではない

森守洋は周囲から「適当」と評されるが、具体的にはどんなところが適当なのだろうか。本当にすべてが適当なのだろうか。森に指導を受ける3人の女子プロにアンケートを取り、彼のどこが適当なのかを聞いてみた。

すると、「女心がわからない」(堀)、「ズボンのひざや靴が汚い」「予定を決められない」(柏原)といった人物評と同時に「調子が悪いのに『大丈夫』『いいよ』と言われる」(堀)、「考えすぎないほうがいいと言われる」(菅沼)などといったコメントが出てきた。調子の波やスウィングの細部を気にする選手にとっては、こういうところが「適当」に感じるのかもしれないが、むしろこのポジティブさやアバウトさこそが、選手たちが結果を出せる秘密なのだろう。

森のアバウトさは「ずっと百点のゴルフはできないから自分を許そうと言われる」(堀)という言葉に集約されているかもしれない。「自信を持てる言葉選びをしてくれる」(柏原)、「自分のいいところを伸ばしてくれる」(菅沼)とも評されるように、選手がいま持っている技術をコースでいかに発揮するかにこそ、森の指導の神髄があるのだ。

一方で、柏原が「Dプレーン理論の基礎を教わった」と話すように、実はインパクト時の物理現象を非常に重視する側面もある。森の指導の代名詞ともいえる「原理原則」という言葉の真意はその点にあり、いわば最低限のポイントだけはしっかり押さえて、スコアに直結しない余計なことに注意をそがれないように選手を導いていると言える。これは実は、アマチュアがスコアを出すうえでも重要なポイントなのだ。

堀の証言 「こっちゃん大丈夫!を一番言われ続けました」

日本女子OPで4年ぶりとなる優勝&3勝目を果たした堀琴音は「森さんをひと言で表すなら『ゴルフ変態』(笑)。森さんにはゴルフの基礎を教えてもらっている感じです。適当な人ですが、それが元気につながり、本当に人生が変わりました!」と話す

柏原の証言 「ひざが汚れていても気がつかないおじさん(笑)」

NEC軽井沢で6年ぶりの優勝&3勝目を飾った柏原は「森さんをひと言で表すなら『ひざが汚れているのに気づかないおじさん(笑)』。今年はフェースの向きを徹底的に気にしました。森さんの前向きな言葉で自信が持てるようになりました」と表した

菅沼の証言 「考えすぎず適当くらいがいいと言われ続けました」

パナソニックOPで復活優勝を遂げた菅沼は「森さんをひと言で表すなら『カリスマ』! 私には適当には見えませんが、『考えすぎないことがいいこと』とはいつも言われています。選手を鼓舞し、いいところを伸ばしてくれます」と指導の特徴も交えて話した

 森流のキモ!
「適当とはいっても
原理原則は知ってください」


「技術的に大事なのは、インパクトの衝突で起こる物理現象だけで、その『原理原則』さえ押さえておけばスウィングは勝手に生まれるもの。金づちでくぎさえ打てれば、本来誰でもいいスウィングはできるはずなので、細かいことは考えないほうがいいんです」(森)


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月刊ゴルフダイジェスト2026年3月号より