【“感情”のレッスン】#2 横田英治「江連さんの“生きた言葉”がずっと心に残っている」
月刊ゴルフダイジェスト
優れたレッスンに贈られる『レッスン・オブ・ザ・イヤー』。2025年の受賞者は横田英治プロ。折に触れ江連忠の名前を口に出し、学んだことが多いと語る横田。プロコーチの第一人者である江連のもとから巣立ったコーチはたくさんいるが、横田と江連の関係は少し独特のようだ。久しぶりの対面となった2人に昔を振り返ってもらった。
TEXT/Daisei Sugawara、Yumiko Shigetomi PHOTO/Takaaki Miura、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa THANKS/クラブハウス

(写真左)江連忠 えづれ・ただし。18歳で渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事。帰国後、片山晋呉や上田桃子を賞金王(女王)に育てた。“プロコーチ”という職業の礎を築いた。横田とはプレーヤー時代からの“同志”。1996年レッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞
- 優れたレッスンに贈られる『レッスン・オブ・ザ・イヤー』。2025年の受賞者は横田英治プロ。ツアープレーヤーとして第一線で磨かれた“感覚”と、その後のたゆみない努力で身に付けた“上達させる理論”。両面からアプローチする指導はゴルフの本質を突いていると多くの人は言う。“人間の感情”を最も大切する彼の指導をじっくりひも解いていく。その上達のキモは意外と身近な動きの中にあるようだ。 TEXT/Da……
- 優れたレッスンに贈られる『レッスン・オブ・ザ・イヤー』。2025年の受賞者は横田英治プロ。ツアープレーヤーとして第一線で磨かれた“感覚”と、その後のたゆみない努力で身に付けた“上達させる理論”。両面からアプローチする指導はゴルフの本質を突いていると多くの人は言う。“人間の感情”を最も大切する彼の指導をじっくりひも解いていく。 TEXT/Daisei Sugawara、Yumiko Shig……
目には見えない
“本質”の部分を学んだ
横田 僕は江連さんのもとで働いていたことはないし、師弟関係だったわけでもないから、ゴルフ友達という感じでしたよね。
江連 2人とも試合に出ていた頃はよく一緒に行っていたし、シーズンオフは英治がいたゴルフ場で合宿させてもらったりしていた。
横田 だから一緒にラウンドすることが多くて、そうするとバンカーショットとか教えてもらうこともあったけれど、僕は江連さんがほかのプロを教えているのを横で聞いていて、そこからたくさん“盗んでいた”というのが正しい表現かなと思う。
江連 英治は上手かったからそんなに教えることがなかったんじゃないかな。でも試合になると“ビビリ”でね(笑)
横田 それはお互いさまかと(笑)。98年のアイフルカップで、僕が最終日に最終組のひとつ前でジャンボ(尾崎)さんと陳志忠さんと同じ組になって、その日の朝、江連さんに電話をしたの覚えてますか? 「ギャラリーがたくさんいるから当たっちゃう、どうしよう」って。
江連 覚えているよ。あのときは「そんな位置(4位)にいるのは調子がいい証拠なんだから、真ん中にしかいかない。だから朝の1発目だけは“俺を見ろ”って思いながらど真ん中に打て」って言ったんだよね。
横田 残念ながら曲がって最終日は崩れちゃったんだけど。
江連 選手それぞれなんだけど、朝イチは静かにパーでいきたい人と、チチ・ロドリゲスみたいに1番ホールは絶対にバーディを取るぞっていう人といる。英治はあのとき委縮しちゃうのがわかっていたから、自分を奮い立たせたほうがいいと思って話したんだと思う。
横田 江連さんのそういう話が本当に貴重なんですよ。僕もよく選手に「1番ホールは18分の1じゃないぞ」とか、「このパット入れたら流れが良くなる」とか言うけれど、そういう“試合運び”みたいなものは全部江連さんからすり込まれたものです。
江連 僕はそういう話はアメリカにいた頃にジャック・ニクラウスとかグレッグ・ノーマンとか強い選手に直接聞いてきたからね。
横田 スウィングは教えられても、こういうことを伝えられる人はほかにはいないですよね。スウィングが良くなったらいいショットは打てるだろうけど、じゃあ試合に勝てるかというとそれはまた別の話。勝負事だし、マシーンじゃなくて人間がやっていることだから。それに、スウィングにしても一番大切なのがバランスとリズムだって教えてくれたのも江連さんです。
江連 でもそれは当たり前の話だから、コーチならみんなそう言うでしょう?
横田 そんなことないですよ。多くのコーチは計測器でデータを取って、どうその数値を良くするかっていうこととか、流行りのスウィング理論とかが多いですかね。
江連 それは物理だからね。道具を扱うスポーツだし、その道具がどんどん進化するから当然そこも大切なんだけど、そこは誰が教えても同じ。でも、そこに伴う“感覚”は人によって違うよね。
横田 だからこそ、目に見えない部分が大切なんですよね。理論はあくまで現象。本質があって現象が起こっているのに、現象だけを追いかけても難しいと思う。僕が江連さんに教わったのはプロとして戦ううえでの本質、スウィングの本質。それは道具が進化しようといつの時代でも変わらないものだと思う。だからずっと伝えていかないといけないなと思っています。
江連さんの“熱量”は本当にすごかった

「やると決めたら最後までやり通す、ゴルフや選手に対しての熱量が半端じゃない。それをずっと見てきたから、自分も知らないうちに影響されている部分は多いと思う」(横田)
横田のここがスゴイ!
長い時間をかけて選手を育て上げるところ
「岸部桃子プロを長い時間かけて、シード選手にまで育て上げた。これは本当にスゴイこと。選手との信頼関係や忍耐がなければできない。選手との“距離感”みたいなのは英治の優れているところなんじゃないかな」(江連)

リズムは打つ前に作るもの
江連がプロに教えていることを盗んできた横田。そのなかでも江連がとくに口を酸っぱくして言っていたのが「リズムはアドレスから作るものだから、必ずワッグルすること」という教えだという。
「僕自身も言われていたけれど、アドレスでボールを見て静止しちゃうとリズムが生まれないし、手上げになりやすい。“静から動”は難しいから、“動から動”でテークバックすることが大事なんです」
ワッグルはヘッドを左右に動かせばいいのか?
「リズムに乗せて手首を柔らかくヘッドを揺らしますが、そのときに足も連動してリズムを取ります。靴の中で左右に小さく足踏みする感じですが、右に乗ったらヘッドは左、左に乗ったときはヘッドが右に動く。そのリズムに乗ったまま始動すれば、テークバックも“下半身リード”になるから手上げになりません」
STEP 1
足踏みと連動したワッグルをする

ワッグルは手でやるというよりも、足の動きにつられてヘッドが揺れることがキモ。右足に体重を乗せたらヘッドが左に動き、左足に体重を乗せたらヘッドが右に動く
STEP 2
リズムに乗ったまま始動

ワッグルを2、3回してから左足に体重を乗せた反動を使ってテークバックすると手上げにならない。静止したアドレスからではリズムは生まれないし手上げになりやすい
- 優れたレッスンに贈られる『レッスン・オブ・ザ・イヤー』。2025年の受賞者は横田英治プロ。ツアープレーヤーとして第一線で磨かれた“感覚”と、その後のたゆみない努力で身に付けた“上達させる理論”。両面からアプローチする指導はゴルフの本質を突いていると多くの人は言う。“人間の感情”を最も大切する彼の指導をじっくりひも解いていく。その上達のキモは意外と身近な動きの中にあるようだ。 TEXT/Da……
- 優れたレッスンに贈られる『レッスン・オブ・ザ・イヤー』。2025年の受賞者は横田英治プロ。ツアープレーヤーとして第一線で磨かれた“感覚”と、その後のたゆみない努力で身に付けた“上達させる理論”。両面からアプローチする指導はゴルフの本質を突いていると多くの人は言う。“人間の感情”を最も大切する彼の指導をじっくりひも解いていく。 TEXT/Daisei Sugawara、Yumiko Shig……
月刊ゴルフダイジェスト2026年2月号より


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