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【教えて! なっち先生】Vol.38 いつでも真っすぐ打ち出せる! パットの正しい体の使い方

パッティングの体の使い方は、ショットを打つときと大きく異なる。正しくストロークするための体の使い方、そして、そのために重要になる「肩を縦に回す」動きについて、プロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて詳しく解説してもらおう!

>>前回のお話はこちら

  • 力強くボールを打つために大切なのがハンドファーストの形。スウィング中に自然にハンドファーストのインパクトが作られる体の使い方があるという。その方法をプロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて教えてもらおう! >>前回のお話はこちら Lesson 37分厚いインパクトを生み出す正しい“掌屈”の作り方 ……


Lesson 38

方向性が安定する!
パットの正しい体の使い方


ショットと比較すると、パッティングは体の使い方が大きく異なります。ショットでは体重移動を行うので、ヘッドが動く方向に体も一緒に動きますが、パッティングでは体重移動を行いません。違いを詳しく説明すると、ショットでは、フォロースルーのときだけ多少クラブと体が引っ張り合う形になりますが、パッティングでは、常にクラブと体の引っ張り合いを保つ必要があります。

また、パッティングはインパクトでフェース面をスクエアに保ち、ラインに対してヘッドを真っすぐ引いて真っすぐ出すために、『肩を縦に動かす』ことが大切です。

そのため、パッティングでは下半身はできる限りアドレスで構えたままの状態を保ちながら、肩を縦に動かすことでストロークを行います。


ショットのように肩を横に回してしまうと、バックスウィングではフェースが開き、フォローでフェースが閉じてしまいます。こうなってしまうと、フェースがスクエアに保てなくなってしまう原因になるだけでなく、肩の動きに連動して下半身が動いてしまうので注意が必要です。

パッティングストロークを具体的に説明すると、正しいアドレスでは両肩が地面に平行になるように構えていますが、バックスウィングでは左肩が下がり、再びインパクトでは地面と両肩が平行になります。その後、フォロースルーは右肩が下がります。

こうすることで、短い距離の小さな振り幅でも目標方向に対してフェースをスクエアに保ったままストロークすることができるのです。

両肩が地面と平行になるように構え、縦に動かしてストロークすることでフェースをスクエアに保つことができる

腹斜筋の伸縮によって
肩を縦に動かす

そんな肩の動きを可視化するお勧めの練習は、真っすぐに立ってクラブを両肩に当てて、肩を縦に動かすドリルです。ショットのように肩を横に回してしまうと、フェースの開閉が起こるので注意しましょう! 肩を縦に動かすイメージはスクエアストロークに欠かせない動きなのでしっかり覚えましょう。

クラブを両肩に当てながらストロークの動きをすることで、肩の動きが可視化できる

しかし、肩だけでストロークを行ってしまうと、グリップエンドが体から外れて、軌道が不安定になってしまいます。体幹を使って、肩を縦に動かすストロークに繋げていきましょう!

パッティングの理想は下半身を動かさず、背骨を中心とした体幹(おへそから上の胴体部分)だけを動かすイメージでストロークを行うことです。

このイメージを持ちながら、肩を縦に動かすことができれば、テークバックでは、右わきの腹斜筋が伸びて、フォロースルーでは左の腹斜筋が伸びます。プロたちはこの腹斜筋の伸縮による体のひねりを使い、肩を縦に動かしてストロークしています。

このように体幹を使ったストロークができれば、肩を縦に動かせるので腕の形を保ったままストロークができて、グリップエンドが常におへそ方向を指すので軌道を確保できますよ!

正しいパッティングストロークは体幹をかなり使うので、意外とフィジカルが求められます。ぜひ参考にしてください。

テークバックでは右、フォロースルーでは左の腹斜筋が伸びる。この腹斜筋の伸縮による体のひねりで、肩を縦に回す動きが作られる

大谷奈千代

1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う

週刊ゴルフダイジェスト2025年12月23日号より