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【冬こそFW&UTを使いこなそう】<後編>ペタペタの薄いライはUTがカンタン!

飛距離が落ちる冬のラウンドでは、飛距離低下をカバーするにはFW&UTの出番となるが、問題はラフに入ったときどうするか? 飛ばない冬でもスコアメイクするためのクラブ選択の仕方について、西村プロに聞いた

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/葉山国際CC

解説/西村至央 1977年生まれ。専修大学ゴルフ部出身。USGTF公認プロ。師匠である伊澤利光プロのゴルフ理論を学び、ティーチングの世界へ。2009年には専修大学同期の近藤智弘プロのコーチを務める。2010年USGTFティーチング・オブ・ザ・イヤー受賞。ミライズゴルフアカデミーヘッドプロ

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  • 冬は寒さで飛距離が落ちることもあり、FWやUTの出番が多くなってくる。そこで今回は、冬ならではの状況からFWやUTで打つときのポイントについて、西村至央プロに教えてもらった。 PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/葉山国際CC 解説/西村至央 1977年生まれ。専修大学ゴルフ部出身。USGTF公認プロ。師匠である伊澤利光プロのゴルフ理論を学び、ティーチングの世界……

冬のフェアウェイはUTがオススメ 

では、冬のフェアウェイはどうすべきか? 西村プロの推しクラブは、UTだという。

「冬のアプローチ、花道とラフならどっちがいいですか? そうアマチュアに聞くとみんなラフがいいと言います。その理由は、フェアウェイは芝が薄く、ペタペタしているからです。ヘッドのリーディングエッジを入れるスペースがないため、インパクトがより難しくなるわけです。そんなライでFWを使えば、ボールの頭を打つチョロの確率が増すだけです。であれば、上から打ち込むアイアンのイメージが湧きやすいUTが正解です。UTはFWよりクラブが短く、ヘッドも小ぶりですから確実にミートできます。

冬は地面も硬くなりますが、UTならヘッドが跳ねる影響も少ないです。それならミドルアイアンやロングアイアンでもいいのでは? と思うかもしれないですが、UTとアイアンではボール初速がまったく異なります。要は風船で打つか、板で打つかの違いです。UTやFWならボールは勝手に飛んでくれます。ミスを減らしつつ、飛距離をカバーするならフェアウェイは絶対UTがおすすめです」


ラフはFW。フェアウェイはUT。まさに逆転の発想だが、注意点はあると西村プロ。

「コースはすべて傾斜地です。つま先下がりの左足上がりなど、複合的な傾斜の場合はアイアンという選択肢が必要です。どこでもFW&UTが使えるわけではないので注意しましょう」

「実は冬のフェアウェイは芝が薄く難しいです。これは夏場よりボールが沈んだ状態になるからです。FWではリスクが大きいですが、UTなら薄い芝でも十分に打てます」

ロフトの多いものを選べばミスになりにくい

「UTが2、3本ある場合は、ロフトが多めの番手を選びましょう。距離を稼ぎたいですが、ミスすれば、大きなロスになります。ミート率を重視するならロフトは多めがいいです」

重要なのは
飛ばそうとしないこと

フェアウェイとラフ、状況に応じたクラブ選択はわかった。最後は打ち方となるが、ポイントは5つあると西村プロ。

「FW&UTはドライバーと同じでボールが飛ぶクラブです。ですから、飛ばそうとする意識は必要ありません。当たれば勝手に飛ぶわけですから。一番大切なのは、確実にミートすることです。そこから大事なポイントを5つ紹介しましょう。 

まずは振り幅です。クラブは振れば振るほど、ミート率が下がります。時計の針で言えば、10時→2時くらいの振り幅が理想です。そして軸です。ミート率は軸で決まるからですが、おでこをイメージするのがおすすめです。おでこを固定するのではなく、左右や上下にブラさないことを心がけてください。頭の位置が安定すれば、ヘッド軌道が安定するため、ミート率が上がります。また、ボールを飛ばそうとするほど、体が回りすぎたり、腰がスウェイしますので注意しましょう。 

最後の2つはインパクトからフォローで意識したいことですが、胸を下に向けておくこととお腹を締めてフォローを出すことです。どちらも前傾キープにつながるもので、FWやUTで出やすいトップが防げます」

Point 1
振り幅は10時から2時

「FWやUTは飛ぶクラブですから振りすぎは厳禁です。振り幅は10時→2時を意識します。これ以上、振り幅を大きくすると体が起きやすくなるので注意しましょう」

Point 2
おでこの位置を変えないイメージ

「トップ、ダウン、インパクトでおでこの位置が変わらなければ、軸が安定するためミート率が上がります。頭を固定する意識はムダな動きを生むのでおすすめしません」

Point 3
腰は逃げたり回しすぎない

「FWやUTを持つと飛ばそうという意識が芽生えやすいです。それを放置したままにすると腰が逃げたり、体が回りすぎます。軸がブレた時点でミスヒット確定です」

Point 4
胸は常に下に向けておく

「軸は胸側、背中側という前後も重要です。前傾キープがその役割を果たしますが、胸は常に下に向けておきます。こうすれば、体の起き上がりが防げますし、チョロするミスも減らせます」

Point 5
腹圧を高めたままフォロー

「腹圧を高めるというのは、息を吐くイメージです。吐きながらお腹を締めることで前傾がキープされ、ヘッド軌道やフェース面のブレを防いでくれます。フォローまで気を抜かないように」

ティーアップして打つ
練習をしておこう

西村プロはラウンド前にFW&UTのティーアップ打ちを練習してほしいと語る。

「基本的にウッド系のクラブは、ダウンブローよりレベルかアッパーブローが合います。緩やかな入射角(シャロー)を身に付けるなら、ティーアップ打ちが最適です。ティーを飛ばさず、ボールだけをクリーンに打ってみてください。FW&UTのティーアップ打ちを練習しておけば、長いパー3などのティーショットでも使えます」

ティーアップ打ちのメリット1
ティーショットが打てるようになる

「ティーショットでFWやUTを打ったことがないアマチュアは意外に多いです。ティーアップ打ちは慣れですから、練習すれば誰でも打てるようになります」

ティーアップ打ちのメリット2
シャローな入射角でミート率がアップ

「UTはFWに比べ、ヘッドが小さめです。当然ヘッドをコントロールしやすく、ミート率も高めです。アイアンよりリーディングエッジが前に出ているのでボールも拾えます」

ティーアップ打ちのメリット3
フェアウェイバンカーでも打てる

「アゴの高さにもよりますが、シャローな入射角ならフェアウェイバンカーでも簡単に打てます。ここからグリーン近くまで持っていければ、スコアメイクはグッとラクに」

週刊ゴルフダイジェスト2025年12月16日号より