【教えて! なっち先生】Vol.37 分厚いインパクトを生む正しい“掌屈”の作り方
大谷奈千代のイラストレッスン
力強くボールを打つために大切なのがハンドファーストの形。スウィング中に自然にハンドファーストのインパクトが作られる体の使い方があるという。その方法をプロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて教えてもらおう!

>>前回のお話はこちら
- 理想的なプロのバックスウィングとアマチュアのバックスウィングを比較すると、シルエットは何となく似ていても体の使い方は大きく違う。とくに「左ひじが曲がっている方は注意が必要です」とプロゴルファー・大谷奈千代。イラストを交えて詳しく解説してもらおう! >>前回のお話はこちら Lesson 36左ひじがピンと伸びた……
Lesson 37
分厚いインパクトを生み出す
正しい“掌屈”の作り方
力強いボールを打つのに欠かせないのが、インパクト時のハンドファーストです! このハンドファーストとは、左腕がターゲット方向に少し伸びて、手の甲が折れている形をいいます。今回は、インパクトで起こるハンドファーストの手の形、左手の掌屈(しょうくつ)についてレッスンしていきましょう!
まず掌屈とは、手首の関節を手のひら方向に折り曲げることをいいます。この掌屈がハンドファーストの動きにつながるのですが、プロたちは手だけでハンドファーストや掌屈を作っているわけではないので、上手くできているゴルファーとできていないゴルファーには、動作に大きな差が生まれてしまうわけです。
正しい掌屈には左わきの締まりが不可欠!
正しい動作とは、インパクトエリアで腰がターンされて、左わきが締まり、左肩甲骨がパッキングされた状態です。腰のターンに合わせて胸椎も回ってくると、自然に腕がローテーションされてきます。腕がローテーションされることで、自然に左手首が掌屈の形を迎えることができるので、動作の結果としてハンドファーストにインパクトすることができるのです。
プロたちの力強いインパクトには、こんなに細やかな動作が詰まっているんですね!
しかし、多くの方はインパクトの際、左わきの締まりや左肩甲骨が緩くなっているようです。左わきと左の肩甲骨が緩んでしまうと、左わきが空いて左肩甲骨も上に浮いて、手元のグリップ位置が浮いてしまうため、ヘッドが垂れ下がり、クラブの軌道が乱れてしまいます。こうなると、さまざまなミスショットが出てしまうので、注意が必要です。再現性の高いインパクトには「わきの締まり」が不可欠なのです! 正しいハンドファーストインパクトを迎えるに当たって、覚えておきたい順序をイラスト1にまとめてみました!

まず左わきが締まり、左肩甲骨がパッキングされていることが大切です。これはクラブの正しい軌道に直結します。わきを締めるには、ヘッドカバーを左わきに挟んでスウィングするドリルが効果的です。

次に、ダウンスウィングでヒップターンをしっかり行っていきます。ボールを打ちにいって腰のターンが止まると、インパクトで腕が伸びて両わきが緩んでしまうので、力強いインパクトができなくなります(イラスト3)。このことからも、ボールを打ちにいかず、しっかり腰がターンされていくことがいかに大切かがわかります。
腰のターンのあと、胸椎が回旋されてきます。この3つの点が順序よく行われることで、結果的に自然と左腕はローテーションされながらハンドファーストの形に変化し、手首も掌屈されていくという動きになります。ついつい手でボールを打ちにいってしまいますが、左わきを締めて腰をターンさせていくのは、力強いインパクトに欠かせない動作なのです。上記を参考に、しっかり体を使ってインパクトしていきましょう!


大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年12月16日号より


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