【石塚祥利が気づいたパットの本質】<後編>パットだけ左打ちにして気づいた「3つのポイント」
週刊ゴルフダイジェスト
今年の『KBCオーガスタ』の最終日の優勝争いで、パッティングだけ“左打ち”ということで注目が集まった石塚祥利。実はイップスになったことで左打ちパッティングに変更して戦っている。前回に続き左打ちに転向したことでつかんだパットの神髄について聞いた。
PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/芥屋ゴルフ倶楽部

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- 今年の『KBCオーガスタ』の最終日の優勝争いで、パッティングだけ“左打ち”ということで注目が集まった石塚祥利。実はイップスになったことでパットを左打ちに変更して戦っている。左打ちにしたことで気づいたパットの極意とは? PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/芥屋ゴルフ倶楽部 解説/石塚祥利 いしづか・しょうり。2003……
グリップは
しっかり握る
GD まず最初のポイントの力感について教えてください。
石塚 わかりやすいように右打ちで説明していきますね。ポイントはグリップをかなりしっかり握ることです。中途半端にならないように120%の気持ちでもいいですけど、大事なのはクラブを支えるだけのように緩くは握っていないんです。緩く握るとインパクトでパンチが入ります。仮に緩く握り続けたとしてもインパクトで当たり負けが起きるのでダメです。
GD 当たり負けするとフェースが開きますよね?
石塚 その通りです。フェースが開いて当たるので右に出やすくなる。それを嫌がって今度はフェースをかぶせる。この繰り返しでストロークはどんどん悪くなっていくんです。それを防ぐために強く握るんですけど、感覚としては誰かにパターを引っ張られても抜けないくらいにしっかり握る感じですかね。その力感のままストロークすることをまずは大切にしています。
GD しっかり握ると力みそうですが。
石塚 力は手だけです。腕や肩はリラックスさせるのがポイントです。そのために僕はストロークの支点として首の少し下の背骨を意識しています。そこを中心にストロークすると腕や肩に力が入らず打てるようになるんです。
Point 1
手はしっかり、腕はゆったり

ヘッドの重さを感じながらストロークをしようとすると緩く握ってしまいがちだが逆効果。インパクトで当たり負けしないように、しっかり握ることで逆に手の意識が消えて体の大きな筋肉を使えるようになる
Point 2
ほんの少し扇状に動く

Point 3
背筋を使ってストロークする

ストロークの支点を背中側に作ると、手をどう動かそうなどと小細工をしにくくなるので、ストロークが安定する
アッパーにとらえ
トップめでもOK
GD 2つ目のポイントのヘッド軌道について教えてください。
石塚 まずボールですが、右足寄りに置くのはNGです。ヘッドが上から入って当たるのでインパクト直後にボールが跳ねてしまいます。パターにも3度ほどロフトがあるので厳密には打ち出した直後に少しボールは浮くんですが、その浮く距離をできるだけ短くして、打ち出してすぐに順回転にしたいんです。そうするだけで距離感が合いやすくなります。そのためにもボール位置は左足側にセットしてください。
GD アッパー軌道で当てるイメージでしょうか?
石塚 そうです。アッパー軌道でインパクトするんです。下から上にフェースでボールをこすり上げるように当てるイメージです。こうすると打ち出してすぐにボールは順回転になり距離感が合わせやすくなるんです。
GD フェースの下めに当たりそうですね。
石塚 トップしちゃうんじゃないかってくらいでOKです。打点は思っているよりもフェースの下でいいんです。
GD 順回転がすぐ起こるから転がりが良くなり距離感が合うわけですね。
石塚 そうです。インパクトでフェース面をボールに正しく当てようと小細工をしなくなるので、ストロークが安定してパンチも入らなくなり、結果的に距離感が出せるストロークができるようになるんです
打ち込まないから
ゆっくり打ち出されタッチが合う

アッパー軌道でストロークすることで打ったらすぐにボールが順回転しやすいことに加えて、フェースでボールを押す時間も長くなるので距離感が合いやすくなる
トップするくらいのイメージでOK
フェース面の一番下でボールの赤道辺りを打つ意識を持つとアッパー軌道のイメージが出やすい


左目の下にボールを置く
左目の位置からボールを落としてみてボール位置をチェックしてみよう。体の中心よりも左側にボールを置くことでアッパー軌道でストロークしやすくなる
「鈍感さ」を大切に
GD 3つ目のポイントとして挙げた「鈍感さ」について教えてください。
石塚 実はこれがとても大事なポイントで、入らなくても受け入れる気持ちを持つことです。入れたい気持ちが強くなると、知らず知らずのうちに小さな動きになりがちです。そのネガティブな気持ちにならないように、1.5メートル先のカップや目標をボールで倒すくらい鈍感な気持ちでストロークする練習をしています。しっかり打ち抜くことだけを考えるようになるために、動きと気持ちを高める練習が大事だと思っています。
1.5メートル先の旗竿に当てにいく

打ちたい距離に対してインパクトで合わせるのではなく1.5メートル先のピンを打ち抜く練習をする。これにより距離や目標だけにとらわれない自分がやるべきストロークを身に付ける
距離をピッタリ合わせる気持ちを排除

1.5mを打ち抜く練習が終わったら5m、10m、15m、20mの4つの距離の振り幅をつかんでみる。カップオーバーしても気にせずやっていると、なんとなく距離感がつかめてくる。これを積み上げて練習すれば必ずパットがよくなってくるという
週刊ゴルフダイジェスト2025年12月9日号より


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