【競技ゴルファー・タニシゲ】Vol.37「最後は気持ち」3ホール勝負の結果は…!?
競技ゴルファータニシゲwith青木翔
元プロ野球選手の谷繁元信が「ベンちゃん」こと和田一浩と対決しながらさらなるスキルアップを目指すシーズン3。和田一浩の1打リードで迎えた対決3ホール目のパー5。青木翔のレッスンを受けること約2年の谷繁元信は、いつも通り鷹揚な雰囲気を漂わせながら実は“絶対に負けられない戦い”と胸に炎を燃やしていた。
PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/カレドニアンGC

青木翔 1983年福岡県生まれ。2019年渋野日向子を全英女子オープン優勝に導いたコーチ。2020年、「レッスン・オブ・ザ・イヤー」受賞。ジュニアから一般アマチュアまで幅広く指導。「六甲国際ゴルフアカデミー」校長
ゲスト/和田一浩
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- 元プロ野球選手の谷繁元信が「ベンちゃん」こと和田一浩と対決しながらさらなるスキルアップを目指すシーズン3。対決1ホール目は両者ボギーで、舞台は次のパー4へ。すると、「何でも吸収したい」と意欲満々の“スポンジベンちゃん”に進化した和田が、青木翔にさらなる質問をぶつける。 PHOTO/Hiroyuki Okazawa THANKS/カレドニアンGC 谷繁元信 1970年広島県生ま……
諦めたら終わり
最後は「気持ちの強さ」
青木 18番、515ヤードのパー5。2つの大きな池絡みのホールです。どう攻めます?
和田 僕はとにかくティーショットです。池ポチャを避けられれば、今1打リードですから、何とかなるんじゃないかな。
谷繁 俺、約2年もレッスンを受けさせてもらってんのよ。ちょっとやって来たベンちゃんに負けられると思う?
和田 いや、そのレッスンがなかなかに濃いですからね。
青木 しかも“スポンジベンちゃん“ですから、吸収することすること。
和田 右に行きたくないときの、アドレス時に半歩ボールに近づく技、左に行きたくないときの吊り打ち、これを使えるようになればティーショットでOBや池ポチャはないでしょ。
谷繁 俺のほうは、まず、1つ目の大きな池を越えるのが課題だったので、ティーショットは引っかけ気味だったけど、まあ許容範囲。
青木 この企画が始まって谷繁さんが大きく変わったところですね。“最悪”を避けられるようになった。ミスの許容範囲内に収められるようになりましたよね。
和田 一方で僕のティーショットは、ちょっと合わせにいった感じでタイミングが危なかったんですけど、フェアウェイに置くことはできました。アドレス時に「ボールに半歩近づく」を守ったことで、右ペラ、池ポチャは回避できました。
谷繁 なんて言ってたら、ベンちゃんの2打目がトラブル。
和田 セカンドOBやっちゃいました……。
青木 これは“ミスの許容範囲”を外れたミスでしたね。
谷繁 ゴルフで人のミスを喜ぶことなんてあってはいけないんだけど、ごめん、心の中でキャッキャッキャッと思ってしまった。
青木 右側が大きな池。和田さんはピン狙いだったようですが、グリーンの左エッジ狙いで良かったと思いますね。
和田 ああ、そうでしたね。それこそ青木さんと谷繁さんが話していた“ミスの許容範囲”の話につながりますね。
谷繁 2年のキャリアの差が出たね(笑)。
和田 そんなに楽しそうに話しながら、先輩(谷繁)の真剣なこと。
青木 今日はお昼の休憩の後、アイスコーヒーを飲もうかなと思ったら谷繁さんがさっと練習場に行っちゃうから、僕も急いで追いかけたくらい。でも、この真剣さこそ競技ゴルファーに求められるもの。ジュニアゴルファーに「谷繁さんのゴルフへの姿勢を見せたいな」と思うこと、実際にありますよ。
谷繁 その後、俺は3オン2パットのパー。ベンちゃんはOBがあったからボギー。
青木 今回は3ホール勝負なので、結果はドローです。
谷繁 2ホールを終えてベンちゃんに1打リードを許したとき「まずいなあ」とは思っていたんだけど、諦めの気持ちはちっともなかったからね。
青木 そこですね。強い気持ち。

残り1ホールで和田に1打リードという窮地に立たされていたが、谷繁に諦めの気持ちはまったくなかった。「最後は気持ち」は青木&谷繁共通の考え方
和田 最後で追いつかれたから、なんとなく僕が負けたような雰囲気ですが、ドローですから(笑)。あと、ミスの後の5番アイアンで、すごくいい球が出たんですよ。青木さんにボール位置を指摘されたんです。少し左にしてみるように、って。
青木 それまではボール位置がやや右で、自分で一生懸命上げにいっている感じでした。
和田 それをやや左にして、重心位置はそのまま、やや左に寄っていくようなイメージで打ってみたら自然と球が上がりました。5番であんなに上がったのは初めてかも。青木さんのアドバイスって、スウィングの修正じゃないんですよね。ボール位置とかアドレス時の足の位置とか……。
青木 スウィングの修正をすることももちろんあるんですが、それ以外で直せるならそっちで直します。確実性が高いですし。
谷繁 スウィングの修正はすごく時間がかかるしね。それにしても、今日のスポンジベンちゃんはすごく楽しそうでもあるよね。やっぱり元プロ野球選手だし、勝負となると目が輝くというか……。
和田 嫌いじゃないですね。
谷繁 いつもはダブルスやスクランブルでチームメイトとして組んでいるんだけど、今日の目の輝きを見て「これは」と思ってるの。“こっちの世界”に来ないかなって。
和田 こっちの世界?
谷繁 競技ゴルフの世界に決まってるじゃん。
和田 えーーー、どうしよう(笑)。
週刊ゴルフダイジェスト2025年11月4日号より
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