【2種のピッチ&ラン】<後編>右手をフェース面に見立て、下半身でリード
週刊ゴルフダイジェスト
グリーン周りのアプローチで最もよく使うのがピッチ&ラン。ただ、プロはいくつものピッチ&ランを
使い分けて寄せている。そこで、これだけは簡単にできてこれだけは覚えておきたい2つのピッチ&ランを紹介する!
PHOTO/ARAKISHIN THANKS/玄海ゴルフクラブ

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- グリーン周りのアプローチで最もよく使うのがピッチ&ラン。ただ、プロはいくつものピッチ&ランを使い分けて寄せている。そこで、これだけは簡単にできてこれだけは覚えておきたい2つのピッチ&ランを紹介する! PHOTO/ARAKISHIN THANKS/玄海ゴルフクラブ 解説/照屋佑唯智 てるや・ゆういち。1996年生まれ。沖縄県出身。ツアープレーヤー転向は2015年。今季はACNツ……
右手のひら=フェース面
のイメージ
――次は具体的な動きについて教えてください。
照屋 ポイントは右手です。右手のひらをフェース面とイメージして、高さを出したいときはボールを包みすくうイメージを持ち、ランを多めにしたいときは右手のひらでボールを押す感じで使います。
――どうして右手を使うのですか。
照屋 利き手にもよりますが、僕の場合は右手の感覚が鋭いので微妙なフェースの動きをコントロールしやすいからです。
――感覚が大事ということでしょうか。
照屋 確かに感覚に頼っているところは大きいと思います。ただ、打ち方は基本的に上げて下ろしているだけ。軌道もターゲットに対して常に真っすぐ動かすだけ。そして右手の動きをイメージするだけなので逆にシンプルだと思いますよ。
――手首は使わないですか。
照屋 インパクトまではなるべく使いません。体の回転とヘッドが動く速さをそろえることが大切なので、強くコックを入れたりすると動きが複雑になるだけでなく、ミスの確率も高くなるので意識しないようにしたほうがいいですよ。
ラン多め
右手で押す


インパクトからフォローにかけて右手のひらでボールを押し出す感じで振る。右手のひらをフェース面だと想定しておくことでボールが飛び出す高さを抑えることができる。
ちょい上げ
右手ですくう


フェース面を開いた状態で右手のひらでボールをすくう感じでヘッドを動かすと、フェースにボールが乗る時間が長くなりふわっと上がって柔らかい球質になる
足踏みするように
下半身を使う
照屋 打ち分けるには右手の使い方がポイントになると説明しましたが、右手の動きをリードするのは下半身です。右手だけを上手く動かそうとしても反復性の高い動きにはなりません。
――下半身は具体的にどのように使うのでしょうか。
照屋 テークバックで右足を上げて左足を下げる。ダウンスウィングからインパクトにかけては、その逆の左足が上がって右足が下がる。足をタテ方向に入れ替えるように使います。
――その動きに上半身がつられて回転につながるということなのでしょうか。
照屋 そうです。よくアプローチは手打ちでいいという意見もありますが、僕は微妙な距離感を出したり、ザックリのミスを防ぐためにも下半身主導が大切だと思っています。全体的な動きが小さいのであまり気づかないかもしれませんが、僕自身もかなり積極的に足を動かしています。
――左右の足をタテに動かすって難しく感じますが……。
照屋 足踏みをする感じに近いですよ。足踏みのように地面を踏む感じで動かすことで上半身もつられて動いてきますし、スウィングのリズムも良くなり、ダフリなどのミスも出にくくなります。
――体重配分はどうすればいいですか。
照屋 アドレスでは5対5のイメージでOKです。左右の足を入れ替えるタテの動きをすることで体重移動は自然に起こりますので、体重配分や体重移動などは気にすることはありませんよ。

ジュニア用のウェッジを
使ってひらめいた
照屋 今シーズンはアプローチの調子がいいんですけど、その理由がシャフトを短くしたことにあるんですよ。
――どれくらい短くしたんですか?
照屋 だいたいボール2個分の3インチくらい短くしました。
――かなり短くしましたね。
照屋 普段よく貞方章男プロと練習させてもらうんですが、貞方さんの息子さんと一緒にラウンドしたときに、息子さんのジュニア用ウェッジで何気に打ってみたら、それがめちゃくちゃ良くて。それで自分のウェッジも短くカットしてみたらすごくフィーリングが良くなったんです(笑)。

――振った感じとかが、かなり変わるのでしょうか。
照屋 メチャクチャ変わります。バランスでいうとB9くらいだと思います。ヘッドの重さを感じないほどシャフトがかなり硬く感じるので、振り遅れにくいメリットがあります。だからダフリのミスもほぼ出ないんです。
――すごい裏ワザというかアマチュアも試したほうがいいですよね。
照屋 本当は教えたくなかったんですが絶対やったほうがいいですよ。これで広まっちゃいますね(笑)。

ヘッドを軽く感じるので、ダウンスウィングで振り遅れることがない。インパクトで体の正面に戻ってくるので地面に突き刺さるようなダフリのミスをしにくい
週刊ゴルフダイジェスト2025年10月21日号より


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