【ドライバーで“ライン出し”】<後編>スリークオーターのフィニッシュでビタッと止まる意識を持とう
週刊ゴルフダイジェスト
狭いホールや曲げたくない状況で役に立つテクニックが「ドライバーでのライン出し」。ただ置きにいくのではなく、しっかり振りつつコントロールしていくショットだが、どうすれば打てるのか。「Z打法」の若林功二プロに引き続き教えてもらおう。
PHOTO/Yasuo Masuda、Tadashi Anezaki、Yoshihiro Iwamoto THANKS/東名CC


解説/若林功二
1979年生まれ。2008年、父・若林貞男氏から継承した、飛ばしのスウィング理論「Z打法」をやさしくひも解き、悩めるアマチュアの技術向上に努めている。現在、都内にてレッスン活動中
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- 狭いホールや曲げたくない状況で役に立つテクニックが「ドライバーでのライン出し」。ただ置きにいくのではなく、しっかり振りつつコントロールしていくショットだが、どうすれば打てるのか。「Z打法」の若林功二プロに話を聞いた。 PHOTO/Yasuo Masuda、Tadashi Anezaki、Yoshihiro Iwamoto THANKS/東名CC 解説……
体を回すのではなく
肩の入れ替えで体が回る
ここからは実践編。ライン出しドライバーを身に付けるノウハウを教えてもらおう。
「Z打法の基本的な動きに『腰を切る』というものがありますが、最初に覚えてほしいのは上半身の使い方です。クラブは手や腕で操るため、まずは上半身を意識しましょう。ポイントは肩の入れ替えです。トップで右の肩甲骨を引き、インパクトで左の肩甲骨を引きます。写真で見ると体は回転していますが、私自身はまったく回す意識はありません。この引いて押すという動きが理解できるとインパクトで右手が前に出ます。つまりヘッドが出てくるわけです。これなら振り遅れることはないのです。
肩の入れ替えは振り遅れないだけじゃありません。体を回さないので軸もブレません。とくにドライバーは右から左へ体が流れやすいですが、左右の肩を入れ替える動きなら軸がブレず、ミートするのも簡単です」
バックスウィング
右の肩甲骨を引き左の肩甲骨を押す

「テークバックからトップは、右の肩甲骨を引き、左の肩甲骨を押します。このとき押すよりも引きを意識してください。引く動作がイメージできると肩甲骨が使えるようになります」
ダウンスウィング
左の肩甲骨を引き右の肩甲骨を押す

「インパクトでは左の肩甲骨を引き、右の肩甲骨を押します。右手が前に出るので絶対に振り遅れません。インパクトで体が詰まることなく、ライン出しのフォローもスムーズにできます」
ボールを上げる意識をなくす
Z打法の体の動きを覚えたら、あとはスウィングに落とし込むだけだ。実際に打つ場合、何を意識すべきか?
「大切なのは、体の正面でインパクトすることです。いわば振り遅れないことですが、肩の入れ替えができるようになれば、ヘッドが遅れることはありません。そのうえで、ライン出しドライバーで意識したいことがあります。
まず狙ったラインにボールを打ち出したいですから、ボールを上げる意識はなくします。ポイントは目線と体の動きをレベルにすることです。目線は水平に保ち、肩や体をレベルに動かします。このレベル打ちがライン出しのベースになります。そしてインパクトでは強く叩きません。フェースにボールを乗せるようにしつつ、フォローでライン上にボールを乗せていく。そんなイメージがいいです。
このワザを覚えれば、狭いホールなど、さまざまな状況で使えますし、スコアメイクもラクになるはずです」
アドレスの変更は最小限でOK
「ティーアップは少し低くし、ボールも少し中寄りにセット。ただ“気持ち”でいいです。大きく変えると当たらなくなりますので、スタンス幅やグリップは変えなくていいです」

Point 1
目線は上げず水平を意識

「ドライバーはアッパー軌道というイメージが強いため、多くのアマチュアは目線が上がります。ライン出しの場合、できるだけ目線は低くしたいので水平を目安にするといいです」
Point 2
体をレベルに動かすイメージ
「目線と同様、肩や体もレベルに動かすイメージです。体を回すことを意識すると、右にスウェイしたり、左に突っ込みやすくなるので注意。左右の肩の入れ替えでクラブをコントロールします」
Point 3
振るのではなくフェース面にボールを“乗せる”

「ドライバーは強振しがちでインパクトも強くなりやすいです。ライン出しは方向性重視ですから、フェース面にボールを乗せるイメージが合います。フェースは常にスクエアを意識しましょう」
Point 4
フォローでボールをラインに乗せていく

「パンチショットは当てて終わりですが、ライン出しはフォローが大切。狙ったラインにボールを乗せていくイメージです。左サイドが引ければ体も突っ込まず、フォローが出しやすいです」
ビタッと止まれるのは
体が使えている証拠
ライン出しドライバーの肝はフィニッシュにあると若林プロ。どういう意味なのか?
「実際のスウィング時には、できることは限られます。レベルに打つイメージを持つことと、もうひとつ意識できることは、それがスリークオーターのフィニッシュで“ビタ止め”することです。
フルショットはラクだけど、ハーフショットすると疲れる。そんな経験ありませんか? 疲れるということは体を使っている証しです。ドライバーでもスリークオーターでフィニッシュすれば、体がしっかり使えるようになるわけです。体にもスウィングにも締まりが生まれ、ライン出しの精度も飛躍的に上がるはずです」
ライン出しのフィニッシュ

肩甲骨がここまで動けば完璧!
「肩甲骨を使った引き動作は、後方に真っすぐ引くだけでは不十分です。背骨の軸に対して曲線を描くように引ければ、ヘッドはどんどん走ります。肩甲骨をしっかり動かしましょう」
フルショットのフィニッシュ

勢いや惰性で振るから意外に体はラク
「フルショットは遠心力や重力が使えるので体の動きが少ないんです。一方、ハーフショットは勢いがないので体をいっぱい使います。だからプロはみんなハーフショットを練習するんです」
週刊ゴルフダイジェスト2025年10月21日号より


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