【教えて! なっち先生】Vol.24 飛ばない、スライス…それ「フライングエルボー」が原因かも?
大谷奈千代のイラストレッスン
アマチュアゴルファーが自分でも気づかないうちに陥ってしまうことがある「フライングエルボー」。その原因と解決法について、プロゴルファー・大谷奈千代にイラストを交えて詳しく解説してもらおう!

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Lesson 24
飛距離ダウン&スライスを招く
フライングエルボーの直し方
練習場やコースで見かけるスウィングのエラーにフライングエルボーがあります。フライングエルボーとは、右わきが空いた状態でトップを迎え、右ひじが浮き、ヘッドがクロスしたオーバースウィングのことを表現しています。多くの場合、このトップの形になるとスライスボールが出やすくなってしまうので注意が必要です。
今回は、フライングエルボーがスライスを引き起こしてしまう仕組みと改善方法についてイラストを交えて解説していきましょう!
フライングエルボーは、トップで右のわきが空いた状態を指します。バックスウィングの途中で右のわきが空いてしまうと、右のひじが外側を向いて、右の肩(肩甲骨)が前に出てしまいます。右肩が前に出てしまうと、上体は回りたくても回れないポジションに収まってしまうので注意が必要です!
体の捻転ができないまま、手と腕でクラブを持ち上げて完成したトップがフライングエルボーです。バックスウィングでは、上半身をしっかり捻転させることが大切ですから、捻転不足のフライングエルボーはエラースウィングになってしまいます。

体の回転不足のままトップを迎え、ダウンスウィングからインパクトに向かってクラブを下ろしてくると、クラブが外側から下りるアウトサイドインのカット軌道になってしまいます。弾道の法則上、カット軌道でフェースがオープンになってしまうとスライスボールが出るのですが、このような軌道とフェース面の組み合わせになってしまうと、インパクトでボールを強く押すことができなくなるので飛距離をロスする要因にもなってしまいます。
このことから、バックスウィングで右のひじが外側を向いたままスウィングを行ってしまうと、飛距離ダウンとスライスボールを引き起こしてしまうので注意が必要なのです。

右ひじを体に向けて少し曲げて構える
バックスウィングで上体の捻転を上手に作っていくためには、なんといってもアドレスでの姿勢が大切です。アドレスでは、イラストCのAのように右のひじが体の方向を向き少し曲がっている状態が正解です。
イラストCのBのように右手が前に出て伸びていると、バックスウィングでシャフトプレーンに沿って右のひじをたたむことができなくなるため、代わりの動作として右ひじを引いた状態でクラブを持ち上げトップを迎えるフライングエルボーになってしまいます。

また正しく構えができていても、バックスウィングのときにどうしても右のひじが引けてしまう方の多くは、右肩関節周りが硬くて動かなくなっている傾向があります。練習前には、肩関節周りのストレッチをしっかり行うようにしましょう!
理想的なトップでの右ひじは、ボールを投げる瞬間と同じ形です。このポジションに収まることができれば、右の肩関節が体の捻転を作る際の邪魔をしなくなりますよ! 心当たりのある方はぜひ参考にしてください!

大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号より


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