Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【飛び女に聞いたHSアップ術】#1「“手首”をしなやかに使いましょう」

【飛び女に聞いたHSアップ術】#1「“手首”をしなやかに使いましょう」

JLPGAティーチングプロA級の資格を持ち250ヤード以上飛ばす3名に、ヘッドスピードアップのコツについて聞いた。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Takanori Miki、Hiroaki Arihara THANKS/千葉国際CC【PGM】、木更津GC

遠藤璃乃

えんどう・りの。ポジティブマインドで楽しくゴルフをするがモットー! シンプルでわかりやすく、その人に寄り添ったレッスンが大好評。「私のレッスンを受けたらみなさん絶対にもっとゴルフが好きになると思います!」 インスタ @rino222gol

スピードを生むのは
腕より手首

筋力では勝るはずの男性ゴルファーが女子プロに飛距離で劣るのはなぜか。それは、「手首がガチガチでシャフトのしなりを使えず、ヘッドが動いていないから」と、遠藤璃乃プロは指摘する。

「手首を正しく使うことで『タメ』と『リリース』が起こり、インパクトを過ぎてからヘッドスピードが最大になるように振れます。逆に手首がしなやかに動かないと、切り返した瞬間にリリース(キャスティング)が始まってしまい、インパクト手前でヘッドスピードを使い切ってしまいます」

参考にすべきイメージは、「縄跳び」の手首の使い方。縄跳びで使うのはほぼ手首だけで、腕を一生懸命動かす必要はない。スウィングもこれと同様に、あくまで腕は体についていくだけ、ヘッドを走らせるのは手首をしなやかに使うことが重要なのだ。

手首をしなやかに使えると…

タメが生まれる

下半身からダウンスウィングがスタートするとき、ヘッドにはまだテークバック方向に動こうとする力が働いている。この時点で手首に余分な力を入れなければ、体とクラブの引っ張り合いで自然にタメが生まれる

リリースがスムーズに

タメを十分に保ったままダウンスウィングの中盤まで下ろせると、ヘッドの遠心力によって自然にリリースが起こる。「手元が胸の高さに下りるまではリリースが始まらないように我慢します」

璃乃’s 260Yスウィング

手の運動ベクトルを地面方向に向ける

切り返し後にタメを「深く」しなくてはいけないと思い込んでいる人は多いが、実際はトップでできた手首の角度(左腕とクラブでできる角度)を「キープ」するだけでいい。そのために必要なのが、「手を真下方向に動かすこと」と遠藤プロ。

「切り返しで手のベクトルがボールやターゲットに向いてしまうと、その時点で手首がほどけ始めてしまいます。ベクトルを真下に向けると、トップで自然にできた手首の角度をキープしたまま下ろしやすくなります」 

また、テークバックで手を「遠くに」上げて、十分な大きさのアークを確保することも、手首の角度をキープするのに必要な要素。トップで手が体に近いと、アークが小さいために切り返しの「間」が生じにくくなり、上体が先行しリリースが早まる(手首の角度が失われる)からだ。

Point 1
手首の角度をほどかずに真下に下ろす

切り返しで手をボールの方向に動かす(前に出す)と、クラブがリリースしようとする力を促進してしまい、「タメ」がほどける。手を真下に向かって下ろすと、ヘッドが背中側にとどまろうとするため、タメがほどけにくい

Point 2
テークバックで手を遠くに上げる

手を遠くに上げるイメージでテークバックすると、トップより切り返しの瞬間のほうが手首の角度が深くなりやすい。これが切り返しの「間」。遠くに上げようとして軸が右にずれないように注意する

Drill 1
左手で壁に触れながら切り返し

壁を右側にして立ち、右手を左のわきの下に入れた状態で左手を壁に伸ばす。左手が壁から離れないようにして切り返しの動きを行うと、手首の角度を保ちながら手を真下に下ろす感覚がわかる。キャスティング(アーリーリリース)の動きだと手が壁から離れてしまう

Drill 2
左手でクラブを支えながら右手を振る

胸を早く開いてしまうと、クラブが寝て正しくリリースされにくくなる。前に出した左手でドライバーを杖にして支え、それをできるだけ垂直に保ったまま右手で素振りをする(写真)。胸を正面に向けたままインパクトする感覚がわかる

Drill 3
タオル素振り

片側に結び目を作ったタオルを振る。トップで結び目が背中に当たってから切り返す。毎回背中の同じところに当たらないのは、リズムが悪く、トップで間を作れていない証拠

月刊ゴルフダイジェスト2025年9月号より