今年日本プロで初優勝を飾った清水大成が、内藤雄士コーチと取り組んできたのが、ショットの方向性・安定性の向上。アマチュアにも参考になる、ショット精度を高める極意を教わろう。

PHOTO／Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa　THANKS／ハイランドセンター

内藤雄士　

ないとう・ゆうじ。日大ゴルフ部時代に米国にゴルフ留学し、最新のゴルフ理論を学ぶ。1998年よりツアープロコーチとして活動を開始し、丸山茂樹の米ツアー3勝を始め、さまざまな選手の優勝をサポート。現在、大西魁斗、清水大成、木村太一らを指導している。日大ゴルフ部コーチ

清水大成　

しみず・たいせい。1999年1月17日生まれ、福岡県出身。日本大学卒。時松源藏を育てた篠塚武久氏の指導でベースボールグリップでゴルフを始める。2017年、大学1年で日本学生を制覇。2020年にプロ転向し、2021年に初シードを獲得。昨季賞金ランク8位に。今年の日本プロで初優勝を飾る。ロピア所属

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  内藤雄士&清水大成に学ぶ“曲げない”極意＜後編＞「タメ」も「ハンドファースト」も必要ない

  今年日本プロで初優勝を飾った清水大成が、内藤雄士コーチと取り組んできたのが、ショットの方向性・安定性の向上。引き続き、ショット精度を高める極意を教わろう。 PHOTO／Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa　THANKS／ハイランドセンター 内藤雄士　 ないとう・ゆうじ。日大ゴルフ部時代に米国にゴルフ留学し、最新のゴル……

方向性を求めて
スウィング改造

国内メジャー「日本プロ」でツアー初優勝を飾った清水大成。その清水を支えているのがプロコーチの第一人者、内藤雄士だ。清水が優勝できた要因は何だったのか?

「2022年の清水選手はすごく調子が悪かったんです。当時はドローヒッターでしたが、チーピンや右プッシュなど、球筋が安定せず、体と腕がバラバラな状態でした。清水選手はもともと飛ばし屋で、学生のときはドーンと飛ばしてウェッジで寄せるというゴルフだったんです。彼はアプローチ、パターが上手いですから、それで結果も残せていました。ところがプロの世界はそうはいきません。そこで2023年から私が指導することになりました。　

そして清水選手と話し合い、もっと精度の高いショットを目指そうということに。彼のプレースタイルの中に欠けていたものが方向性・安定性だったんです。両腕にボールを挟んだり、左わきにヘッドカバーを挟んだり、いろいろやりながら、まずはスウィング軌道を整えることから始めました。ドローだったときの清水選手はインサイドアッパーが強かったんです。それが徐々にイン・トゥ・イン軌道になり、その結果フェードの球筋へと変わっていきました。ですから、最初からフェードを目指したわけではないんです。今の清水選手はライン出しフェードのような球筋で方向性＆安定性が抜群です」　

スウィング軌道を修正した清水選手の定番ドリルが、2本のスティックの間を打ち抜く、出球の練習だという。「軌道が整うとリリースポイントやフェース面も揃ってきます。その集大成が出球の管理です。狙ったところに真っすぐ打ち出せるスウィングが結果につながったのでしょう」

精度の高いライン出しフェードで日本プロを制覇

清水は昨季、自己最高の賞金ランク8位となった。「方向性、安定性が課題でしたが、私のなかでは飛距離も落とさないように心がけました。飛距離は落ちることなく上がったのでホッとしています」

ボール2個分の幅に立てられたスティックの間にボールを打ち出していく清水のドリル。「この間をドライバーで打ち抜くのですから、すごい精度ですよ」（内藤）

まずはアドレスを見直そう

清水が日々行っている出球のコントロールは、アマチュアにも有効だと内藤プロ。

「清水選手が取り組んでいることは、ものすごく基本的なものばかりです。前傾をキープする、体と腕を一体化させる、胸を回す、フェースをスクエアに保つなど、誰でも知っているはずです。これらの基本的な動きが、出球を安定させるスウィングへとつながります。清水選手は練習だけでなく、フィジカルトレーニングも取り入れ、技術と体の両面から自分がやりたいスウィングを手に入れました。　

では、アマチュアが出球をコントロールするには、どうすればいいか?　

まずはアドレスを見直すことです。その第一歩がターゲットへの意識です。自分はどこにボールを打ち出したいのか?　それを常に心がけてください。そうすれば、どのラインに対して構えるかも決まってきます。アドレスで大切なことは両腕の外旋とショルダーパッキング（肩甲骨が下がってわきが締まった状態）です。この上半身の使い方がわかれば胸が回るので、次のステップであるバックスウィングやダウンスウィングに移行しやすくなります。アマチュアに多いカット軌道やアーリーリリースなどは、そのほとんどがアドレスの不具合です。真っすぐ打ち出せるアドレスをしっかり身につけましょう」

真っすぐ打ち出せるアドレスの作り方

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  今年日本プロで初優勝を飾った清水大成が、内藤雄士コーチと取り組んできたのが、ショットの方向性・安定性の向上。引き続き、ショット精度を高める極意を教わろう。 PHOTO／Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa　THANKS／ハイランドセンター 内藤雄士　 ないとう・ゆうじ。日大ゴルフ部時代に米国にゴルフ留学し、最新のゴル……

週刊ゴルフダイジェスト2025年7月29日号より