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【南出仁寛の千日回峰行】Vol.8 パットの「テンポ」は速めがいい?

シニア入りを機にツアープロ転身を目指す南出仁寛プロの修行の旅。名古屋にある「パット専門ラボ」で、自分が弱点と認識しているロングパットのスピード(タッチ)改善に関わるある数値を提示された南出プロだったが、その数値とは!?

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara  THANKS/GOLSSYO

ゴルフ修行僧/南出仁寛

みなみで・きみひろ。78年生まれ、大阪府出身。06年にプロ転向。ドラコン日本タイトル15冠。世界大会は11度出場し、最高成績は10位(日本人最上位)。シニアツアー出場資格年齢まであと4年

今月の「師僧」/丸山颯太

まるやま・そうた。99年生まれ、福井県出身。福井工大ゴルフ部を経て、日本で数少ないパッティングコーチとなる。ツアープロはもちろん、黒宮幹仁氏が運営する名古屋市内のスタジオで多くのアマチュアも指導する

>>前回のお話はこちら

スピードのばらつきがテンポで直る!?

南出 ボクみたいに肩を縦回転させるストロークは上体の揺れが大きいから、スピードのばらつきが出やすいのが弱点ということでしたけど、それを安定させるにはどうすればいいですか?

丸山 ひとつはストロークのテンポを一定にするというのがあります。それでロングパットでもショートパットでも、同じテンポで打つということですね。先ほど計測したデータによると、南出さんのテンポは82BPMくらい。PGAツアーの平均が90BPMくらいなので、少し遅いですね。

南出 その「BPM」というのがようわからんのやけど……。

丸山 1分間に何回ビート(拍)を刻めるかということで、たとえば「パン、パン」と手を叩いて、それが1秒刻みだったら1分間では60拍なので60BPMとなり、これはかなりゆっくりです。それが90BPMになると、2秒に3拍ずつ打つ速さになるので、かなりテンポアップした感じになると思います。

南出 つまり、90BPMでストロークするということは、「パン、パン」の音に合わせて、始動、トップ、インパクトという感じで打つということですよね。


丸山 そうです。一般的に言って、テンポは少し速めのほうが1球ごとのばらつきが少なくなる傾向があります。

南出 とはいえ、速すぎるのもよくないんですよね?

丸山 その人の筋力によるところが大きいです。南出さんみたいに筋力がある人の場合は、ツアー平均より速いテンポでもストロークがぶれない可能性は高いです。

南出 確かに、速めにスッ、スッと振るほうがぶれない感じはします。

丸山 ショートパットもロングパットも同じテンポで打つのが、タッチを合わせる第一歩になります。

南出「慎重になりすぎちゃうことがよくあるんです」
渡邊「南出さんくらい筋力があればもっとテンポを上げられます」

ショートパットもロングパットも同じ「テンポ」で打つ場合、ショートパットは短い振り幅を相対的にゆっくりのスピードで、ロングパットは長い振り幅を相対的に速いスピードで振ることになる。つまり、それがスピード(タッチ)を変化させる要因ということ

Point
アドレスで軸を真っすぐにする

軸を右に傾けて構えると、フォロー側を大きく振りがちになるので、上体の揺れが大きくなる。ボールを左目の下にセットすると、比較的上体が真っすぐになる

Drill
テンポを一定にしていろいろな
場所から打つ

テンポ強化には、今でもメトロノームを使うのが有効。テンポを揃えて、上り、下り、ショートパット、ロングパットなど、いろいろなシチュエーションで打つのがいい

足裏にかかる圧力はほぼ理想的

アドレスは左足にほんの少しだけ多く体重がかかりつつ、重心はセンターに保つのがいい。また、ストローク中もなるべくそれを維持するのがいい。南出プロのデータはほぼ理想値に近い

月刊ゴルフダイジェスト2025年8月号より