【教えて! なっち先生】Vol.14 沈み込んで、伸ばす! 飛ばしに必要な下半身の使い方

効率よくエネルギーを伝えて飛距離を伸ばすためには、スウィング中の下半身の動きが大切。プロゴルファー・大谷奈千代に「飛ばしに必要な下半身の使い方」について詳しく教えてもらおう!

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- スウィングを安定させ、ナイスショットを連発するためには「とくに、インパクト前後での手の使い過ぎは禁物ですよ」とプロゴルファー・大谷奈千代。手の使い過ぎを矯正して、下半身リードを身に付ける練習法を教えてもらおう! ミスショットの多くは、手元の動きが強くなってしまうことに原因がある >>前回のお話はこちら Less……
Lesson 14
沈み込んで、伸ばす!
飛ばしに必要な下半身の使い方
プロトーナメントの世界では、長いシーズンを戦い抜く体力が必要ですが、それと同時に、遠くに正確に飛ばすスウィングのための体使いが重要です。
今回はトーナメントプロがやっている 「飛ばしに必要な下半身の使い方」についてレッスンしていきましょう!
切り返し以降のダウンスウィングの課題は「下半身で溜め込んだパワーを上手に使っていく」ことです。
とくにボールをできるだけ遠くに飛ばしたいドライバーショットでは、インパクト前後で両ひざを伸ばしながら真上にジャンプするような動きで地面を蹴って(地面反力)、体の回転を一気に加速させていきます。
ダウンスウィングの沈み込み動作が必須!
そのため、個人差はありますが、ダウンスウィングではジャンプするために一瞬ひざを曲げて、少し沈み込むようにしながらパワーを溜め込む動きが必要になってきます。
しかし、多くのアマチュアゴルファーの方は、ダウンスウィングの際にアドレスで構えたときよりも体が浮いて、上体の前傾姿勢が起き上がる傾向があるようです。
心当たりがある方は、思い切って沈み込むような感覚があってもいいでしょう。このジャンプ動作では、真上方向に力を使いたいので、沈み込む方向が真下であることがポイントになってきます。
下のイラストのように、目安としては左ひざと太ももが正面を向いたまま真下に沈み込むようにしましょう。このとき、沈み込む方向が傾いてしまうと、パワーを出す方向がズレてしまいエネルギーロスの原因になってしまうので注意が必要です。

また、力強いスウィングは、ダウンスウィングで右足の内転筋を伸ばせるかどうかが大切になってきます。
トップでは体重を右に乗せ、そのまま右足の内転筋を伸ばしてダウンスウィングに入り、インパクト前に腰のターンが始まります。そのときに右足の母趾球が地面についたまま保つことができると、課題の内転筋をしっかり伸ばせるようになります。そして、やっとフィニッシュでかかとを上げてスウィングを収めていくわけです。
複雑な動作ですが、クラブを短く持って一つ一つの動きを確認しながらスウィング練習をしてみてください!
まず、クラブを短く持ちます。そして、前述したようにダウンスウィングでクラブをインサイドから入れるには、右足の内転筋を伸ばす(右足を内旋させる)ことが重要です。
そして、飛ばしのポイントは、さらに右足の内転筋を伸ばすこと! 具体的には右足を内旋させながら斜め後ろ方向に蹴る動きを入れることです。
インパクトでは右足の母趾球で地面を蹴りましょう。これによって曲がっていた左ひざが自然と伸びます。ここまでの流れが上手くいくと、腰がしっかり回転して、フォロースルーへ向かってクラブを加速させながら振り抜くことができるんです!
この動作を行うには、力強い下半身はもちろん、内転筋の柔軟性が必要です。プロたちが足を使ってスウィングをリードするには、走り込みやスクワットが必要になるわけですね!
難しい課題ではありますが、飛距離アップに効果的ですので、ぜひ参考にしてみてください!


大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年7月1日号より