インパクトで右ひじが伸びてしまうと、球を強く押すことができない。では、どうすれば右ひじの曲がりをキープしたままインパクトできるようになるのか。引き続き吉田直樹コーチに話を聞いた。

PHOTO／Yujiro Kawatani、Yasuhiro JJ Tanabe、Getty Images　THANKS／三甲GCジャパン

吉田直樹　よしだ・なおき。1978年生まれ。兵庫県出身。幼少期をアメリカで過ごし、有名コーチの指導を受けた経験を持つ。谷原秀人、小祝さくら、イ・ボミ、片山晋呉、上井邦浩などを教えてきた。兵庫県・芦屋で室内練習場「ラ・キンタ」を主宰

植手桃子　うえて・ももこ。1997年生まれ。兵庫県出身。さらなるレベルアップを目指して、吉田直樹の門を叩く。今シーズンはステップ・アップ・ツアーに参戦しながら、テレビ番組のゴルフサバイバルにも出場し、チャンピオン大会で優勝

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  あなたの「右ひじ」伸びていませんか?　プロのような右ひじが曲がったインパクトを手に入れるには?

  プロのスウィングを見ると、インパクトで右ひじが曲がっているケースが多い。なぜ右ひじが曲がっていたほうがいいのか、どうすれば曲げたままインパクトできるのか。吉田直樹コーチに教えてもらおう。 PHOTO／Yujiro Kawatani、Yasuhiro JJ Tanabe、Getty Images　THANKS／三甲GCジャパン 吉田直樹　よしだ・なおき。1978……

切り返しは左腰から動き出す

吉田　次に変えていくポイントは、切り返しからダウンスウィングにかけての動きです。

――どんな動きですか?

吉田　多くのゴルファーが、クラブをアウトサイドからスティープに下ろしていますが、これをインサイドからシャローに下ろしたいんです。

――俗な言い方をすれば、アウトサイドインのタテ振りをイン・トゥ・インのヨコ振りにするわけですね。

吉田　このとき必要なのが、左腰のスイッチで切り返していくことなんです。

――左腰のスイッチ?

吉田　肩を十分に回したトップから、左腰を開く動きで切り返していくわけです。

――腕を使わない?

吉田　左腰の動きに引っ張られて、肩、腕、クラブの順番で動いていけば、自動的にクラブはインサイドから下りてきます。そのためには、腕を脱力しておくことが必要です。

「いつも無意識にやっていますが、腰を開いてインパクトしています。左腰のリードで切り返すことで、手が遅れてついてくるような感覚です。この動きによって、クラブは自動的にインサイドから下りてきます」（植手）

植手桃子プロのお手本スウィング①

右手首の角度を意識しよう

――左腰のスイッチで、クラブをインサイドから下ろす感覚をつかめてきたら、次はどこを修正しますか?

吉田　修正ではありませんが、ダウンスウィングで右手首の角度を意識してもらいます。ゴルフスウィングでは、ひじと手首が連動して動くことが多いので、右手首の角度をキープすることで、右ひじの動きもコントロールしやすくなるんです。

――意識するのは、ひじではなく、手首なんですね?

吉田　たとえば、切り返しからキャストするように右ひじを伸ばしてしまうゴルファーは、右手首も一緒に伸ばしているはずです。逆に、右ひじを曲げて、内側に絞り込むように下ろすと、右手首も甲側に曲げやすくなります。

――言われてみると、その通りですね。

吉田　このメカニズムを応用して、トップでできた右手首の角度をキープして下ろすことで、右ひじの曲げもキープしやすくなるんです。

Drill 1
クロスハンド打ち

「ドライバーをクロスハンドで握ってボールを打ちます。右手が上になるため、ひじを曲げやすく、右ひじを曲げたままインパクトする感覚がつかめます」

フェースを閉じて真っすぐ打ち出す

吉田　最後はシャットフェースドリルをやってもらいます。

――フェースを思いっ切り閉じておいて、でも、真っすぐ打ち出していくんですね?

吉田　このドリルでは、インサイドからボールをとらえなくては真っすぐ飛ばせません。右ひじが伸びると、引っかけるというか、極端に左に飛んでいってしまいます。

――右ひじ曲げインパクトを覚えるにはピッタリですね。

吉田　このドリルと普通のショットを交互に行って、じっくりと練習を積み重ねていってください。

Drill 2
超シャットフェース打ち

「ドライバーのフェースを30度くらい閉じて打ちます。真っすぐ打ち出すには、必ずインサイドからボールを打たなくてはならないので、自然に右ひじを曲げたインパクトをマスターできます」

植手桃子プロのお手本スウィング②

週刊ゴルフダイジェスト2025年6月17日号より